注意事項:
私の話は、他の多くの人の個人的な性的妄想と同じく、「いくつかの規則を破ること」を描くものが多い。もし、あなたが、妄想話は現実生活において望ましくない状況を描くものであってはならないと思うならば、この話を読んではなりません。描かれる性的状況についてあなたが気分を害される可能性があることを、前もって注意しておきます。18歳以下の場合は、この話を読んではなりません。

この話を保存し公表すること、再投稿すること、およびaltのニューズグループの低価格なCD-ROMの形で販売することを許可します。またこの種の作品のアンソロジーの一部として出版することも許可します。ただし、作品がdeirdreによるものであると明示され、作者への謝礼がdeirdreの名でエイズ研究の基金へ支払われる場合に限ります。---deirdre
 



「Back -- バック」 by deirdre, 7/30/95   original

そもそもの始まりについては、僕も覚えている。

妻と二人でジェフ・ピーターズのことについて話していたのだった。

ジェフは自分の妻に浮気されていたことを発見したばかりだったのだ。

「その件に関しては、僕は絶対、心配する必要がないだろうな」

僕はそう言ったのだった。
 
 
 
 
 

確かに僕は心配していなかった。

ジュディはそういう女じゃない。

でも、僕がそれを口にしたとき、僕は妻の顔を見ていなかったと思う。

もし見ていたら、そのとき妻が顔に浮かべた表情を思い出せただろうと思うから。

僕が何を言いたいのか、もう分かったかもしれない。

それから二日後のことだった。

ジュディと二人でベッドに寝ていたとき、彼女が僕の名前を呼んだのだった。
 
 
 
 
 

「グレッグ?」
 
 
 

「ん?」
 
 
 

いや、これは普通じゃない。

妻は、寝ようとしているときに会話を始めるようなことは普通しない。

それに、妻は、僕の名前を呼んで会話を始めるようなことも、普通しない。
 
 
 
 
 

「ちょっと話があるの」
 
 
 

「何だい?」

何が飛び出すか、僕にはまだ分からなかった。
 
 
 
 
 

「こんなことを話すつもりはなかったんだけど・・・

だって・・・

だって、私が罪悪感を感じているのは、あなたのせいじゃないのは確かだし。

でも、どうしても言わなくちゃいけないの・・・。

ごめんなさい。

でも、もうこれ以上、隠しておけないの」

確かに、妻は困っているようだ。
 
 
 
 
 

「どんなことを話したいんだい?」

僕は本当に何のことだか分からなかった。

まったく、全然。
 
 
 
 
 

「私・・・

私・・・

他の人としたの」

そう言い、啜り泣きし始めた。
 
 
 
 
 

僕はベッド脇の電気をつけ、身体を起こした。

横になっている妻を見下ろした。

怒りというより、むしろショックを感じていたと思う。

・・・そんなことがありえるなどとは、一度も考えていなかった。

このジュディが?
 
 
 

ジュディは、僕にしてみれば、この世で一番そんなことをしそうもない人だ。
 
 
 
 
 

「ごめんなさい。

本当にごめんなさい。

あなたのせいじゃないの」

ジュディは本格的に泣き出していた。

僕はまだ口が利けずにいた。

心臓が高鳴り、喉をこみ上げるものがあった。

一種、麻痺したようになってただ座っていた。

声を震わせながら妻が話しつづけた。

「1年位前のことだったの。

1回だけだったわ。

何かの間違いだったのよ。

ああ。

本当にごめんなさい」
 
 
 
 

どうしていいか分からなかった。

「何があったんだ?」

自分の口からその言葉が出てくるのが聞こえた。

僕はただ座ったままだった。

自分の声が、そう・・・どこか生命がないような声に聞こえていた。
 
 
 
 
 

「たった一度の間違いだったの。

本当。

誓ってもいいわ。

スポーツクラブでのこと」

そこで一度、妻が休止を入れた。

だが僕は返事をしなかった。

「エアロビクスのクラス。

自分でも分からないの。

だけど、私は、クラスでインストラクタの一人をもの欲しそうにじろじろ見ていたらしいの。

そんなに露骨に見ていたわけじゃなかったのよ。

でも、後になってから、そのインストラクタが私のところを探して来て、言ったの。

『俺のことを見ていただろ!』って」
 
 
 
 

「私は、そんなこと何でもないと思っているように振舞おうとしたわ。

たいした意味もないことだって伝えたの。

でも、その彼、そう答えたところも全部、気に障ったみたい。

私を、オフィスに連れて行ったの。

私はなんだかやましいことをしたような気持ちになっていた。

『ごめんなさい』って謝ったの。

でも、彼は立ったまま、私を睨みつけていた。

私・・・

自分が悪いことをした子供になったような気がしていた。

あんな風に彼の前で立たされて、すごくやましい気持ちになっていた。

・・・そうしていたら彼が言ったの。

『俺が何をする気でいるのか、分かっているな? お前の尻にぶち込んでやる!』って」
 
 
 

そこまで話して、妻は話しをとめた。

僕は呆然としたまま座っていた。

何を言うべきか、何も思いつかなかった。

ようやく妻が話しを再開した。

「彼、私の身体を掴んで、ショートパンツを脱がしたわ。

それから、私の体を押して、デスクの端に覆い被さるようにさせられた・・・

そして、私にしたの」

妻の声はだんだんとかすれて、最後の方は囁き声になっていた。
 
 
 
 
 

「レイプされたのか」
 
 
 

妻はしばらく何も言わなかった。

だが、ようやく、声を出した。

弱弱しい声だった。

「違うわ」
 
 
 
 

「どういうことだ?」
 
 
 
 

「彼・・・最初はしばらく私の身体を触っていたの。

でも、その後、やめてしまったのよ。

私から一歩引き下がって、そこでじっと立ってるだけになったの。

私を見ながら。

『服を着て、帰れ!』

そう言ったわ」
 
 
 
 

「それで?」
 
 
 
 

「でも、私はそうしなかった。

ただ待っていたの。

また言われたわ。

『服を着て、帰れ!』

それでも私は動かなかった。

ただ・・・

ただ、じっとその格好のままでいたの。

そうしたら、彼は・・・彼、声に出して笑って。

それから・・・

私にしたの」
 
 
 
 
 

妻は再び、話しを止めた。

ちょっと間を置いて、僕が訊いた。

「そいつにやられるのを待っていたということなのか?」
 
 
 
 

またちょっと間が開いた。

妻は静かな声で答えた。

「ええ」
 
 
 

「どうして?」
 
 
 

再び、間が開いた。

妻はすぐには答えなかった。

「して欲しかったから・・・と思っているわ」

妻の声は再び力を得てきていた。

「そのときの私は気が狂っていたのよ。

あの時だけだもの、ほんとに・・・・。

本当にごめんなさい!」

妻はまた泣いていた。
 
 
 
 
 

「そいつの名前は?」

僕は、自分がどうしてそれを訊いたのか、未だに分からない。
 
 
 
 
 

妻はすぐには答えなかった。

だが、泣き声は立てなくなっていた。

間が開いて、ようやく、妻が答えた。

「そんなのどうでもいいことよ。

もう二度とあそこには行かないから」

でも僕は返事をしなかった。

仕方なさそうに、妻は答えた。

「タッドという人」
 
 
 
 

翌日、僕はスポーツクラブにいた。

「タッドという方、いらっしゃいますか?」

デスクについていた女の子に訊いてみた。

「ぜひお会いしたいのだが」
 
 
 

女の子は席を外し、一人の男を連れて戻ってきた。

よく見てみた。

背が高く、筋肉質のがっちりした男だった。

「私にご用というのは、あなたですか?」
 
 
 
 

「ああ。でも、ちょっと待ってくれ」

僕は、デスクの女の子や、あたりを見まわしながら答えた。

男は、僕が他の人の前では話しをしたがっていないのを察知したに違いない。

「じゃあ、ちょっと一緒に来てください」

そう言って、僕を連れて空いていたオフィスに入った。
 
 
 
 
 

これが例のオフィスなのだろうか?

もう一度、その男を見た。

これが、タッドか。

暗い色の目。

髪の毛も濃い褐色だった。

妻はこの男に屈したのだ。

まだ、そのことが信じられずにいた。

僕ですら、ジュディとアナルセックスをしたことがない。

「それで、用事は?」

男はちょっとイライラしていた。
 
 
 
 
 

僕は一度深呼吸をした。

「僕の妻が、あなたにセックスされたと言うのです」

僕は、自分自身、どうしてこんなことをしているのか分からなかった。

だが、ともかく、こうしなければ収まらないのだった。
 
 
 
 
 

男は、無意識的にふと声に出して笑った。

その後、僕から顔を背けた。

だが、まだ男が笑い顔でいるのは見て取れた。

その後、再び僕の方に向き直った。

かすかに笑っていた形跡が顔に浮かんでいた。

「まあ、それもありえるとは思うけど」
 
 
 
 

僕は部屋を見渡しながら言った。

「妻は、あなたにここへ連れ込まれたと言っています。

・・・そして・・・」
 
 
 

「いいこと教えてやろうか?」

僕の言葉を遮って男が言った。

僕は男を見つめた。

しばらく間を置いてから、ようやく男は続きを言った。

「俺は、お前の尻にぶち込んでやるつもりだ」
 
 
 
 

突然、男は僕の腕を取り、ねじり上げた。

僕はすぐにデスクの脇に覆い被さるような格好になっていた。

さらに、ズボンを下ろされた。

男は片手で僕を押さえつけながら、もう片手で僕の足の間を探り、ペニスを握った。

男は僕のペニスにストロークを与えながら、ちょっと笑っていた。
 
 
 
 
 

男はただ僕のペニスを握り、ストロークを与え続けていた。

僕は、大きな声を上げるべきだったかもしれない。

だが、人を呼んでこんなところを見せるなどできるはずがなかった。

男は、ちょっと指で僕の睾丸を掴んだ後、僕のお尻の穴に指を一本あてた。

そうして、再びペニスをしごき始めた。

その後は、僕のペニスとお尻の穴を交互にいじり続けた。
 
 
 
 
 

だが、あるときになって、男は一切僕に触れなくなった。

僕は動かずにいた。

が、間を置いてようやく後ろを振り返った。

男は別のデスクに寄りかかっていた。

両腕を胸の前で組みながら、僕を見ていた。

「服を着て、ここから出て行け」

男は、まだ例のかすかな笑みを顔に浮かべていた。
 
 
 
 
 

僕は動かずにいた。

なぜ固まったようにしていたのか、自分でも分からない。

だが、ともかく凍りついたように動かずにいた。

一切の筋肉を動かさずにじっとしていた。

「ほら、早く!」

男が言う。

それから少し経つと、男はクスクスと笑っていた。

そして、何かチューブのようなものを取り出した。

ズボンのチャックを下ろし、ペニスを取り出し、しごき始める。

僕はそれを見ていた。

だが身体は動かさなかった。
 
 
 
 
 

その夜、再び我が家にて。

僕は気がつくとじっとジュディを見つめていた。

例の件についてはもはや話さなくなっていた。

僕は妻を怒ろうとかもしなかったし、その類のことは一切しなかった。

ただ、妻が僕を見ていないときに、じっと彼女を見つめていただけだった。
 
 
 
 
 

さらにその翌日の夜。

ジュディは用事で外出した。

僕は何か気になって、彼女の持ち物を調べていた。

僕はこのようなことをする人間ではなかった。

だから、僕が依然として今回のことに何らかの反応を示していることは明らかだった。

そして、あるものを見つけ出したのだった。

小さなディルドだった。
 
 
 
 
 

妻が帰ってきたとき、僕は例のディルドをポケットに入れていた。

それについて妻に訊いてみようと思っていた。
 
 
 
 
 

キスをしようと近寄った。

だが、何か様子が変だった。

まるで忘我の状態、夢遊病かなにかになっているように見えた。
 
 
 
 
 

「何かあったのか?」

しばらくして声をかけた。

それに反応して、妻は急に振り向いて、僕の方を見た。

だが、依然として何もいわない。

「ねえ? どうしたんだ?」
 
 
 
 

妻は僕の手を取って、引っ張るようにしてカウチに連れて行き、腰を降ろした。

絶対にどこか変だ。

結局、僕も妻の隣に腰を降ろした。

片腕を彼女の肩に回し、包み込むようにしてくるんだ。

妻は僕にもたれかかるようになり、頭を僕の胸板に乗せた。
 
 
 
 
 

「もう一度したの」
 
 
 

「何を?」
 
 
 

「今夜、あのスポーツクラブに行ったの。

今日、タッドから電話があったの」
 
 
 
 

その後、何分か二人とも何も言わなかった。

だが、ようやく妻は顔を上げ、僕を見上げた。

僕は何を言ってよいのか分からなかった。

妻は両腕で僕を包み、痛いほど強く抱きしめた。

全然泣くような様子ではない。
 
 
 
 
 

ようやく僕を離し、立ち上がった。

僕はまだどんな言葉を言ったらよいか、見つけ出せずにいた。

僕はディルドのことを思い出した。

ポケットからそれを取り出し、目の前に掲げて見せた。

妻はそれをじっと見つめていた。

「これを見つけたんだが」

僕はそれしか言わなかった。

そのまま、妻を見つめていた。
 
 
 
 
 

「それを彼だと思って・・・していたの」

妻はそう答えた。
 
 
 
 
 

妻も僕もタッドに会ったのはそのときが最後だった。

少なくとも実際のタッドには会っていない。

今、僕たちは、よく二人ですることがある。

二人とも裸になり、ベッドの端に覆い被さるようになって膝を付いて並ぶことだ。

僕たちは小さなディルドを2本持っている。

ときどき二人振り向いては互いに見つめ合う。

二人ともタッドのことを思い浮かべている。
 



おわり