あたりを見まわす。
玄関前に車があるのに、ケイシーがいない。
突然、地下室のドアから彼女が出てきた。
俺の声をさえぎって、言う。
「こっちにきてよ。見てみて!」
彼女を見ると、笑っていた。
興奮と期待の笑顔だ。
絶対に。
いったいどうしたのか?
地下室に彼女の後に続いて入った。
そして、本当に大ショックを受けた。
そこには<女>がいたのだ。
体を縛られて。
裸で立っていて、両手を頭の上に天井の梁に吊るされるように縛られて。
目隠しも、くつわもされて。
確かに、俺とケイシーはこの手のことを話し合っていたのは本当だ。
いや、正確にはこういうんじゃなかったんだ。
かなりくだけた感じのときに、俺は告白したんだ。
ケイシーをスパンクしたい気持ちがあるって。
それに対してケイシーはこう言って俺を驚かせた。
彼女自身は俺の欲望の受け手になることには興味がない。
けれど、女をスパンクすること自体は彼女自身も面白いって。
そう言った。
確かに、これに関して欲望を語り合ったり、面白そうなビデオについて話したりした。
だけど、現実に実行するなんてことはぜんぜん話題になっていなかった。
それに、地下室に女を縛って吊るしておくなんて、全くヒントすらなかったことだったじゃないか!
よく見てみた。
女は背が小さく、大変長いブロンドの髪を背中にたらしている。
日焼けしていて、小柄、引き締まった、筋肉質の体のようだ。
いい体だ。
そして、何とかして逃げようともがいている。
それにしても、この女が誰だか俺には分らない。
「ケイシー、誰なんだ?」と俺は囁いた。
「サマンサのお友達」
サマンサとは、ケイシーの職場の秘書だ。
2、3回会ったことがある。
ケイシーはよくサマンサのことを話していた。
「彼女はこうされるのが好きなのか?」
もがく姿を見て、俺ははらはらしていた。
「いいえ」
「ケイシー!」
「まあ、心配しないで。
彼女も十分に喜んでいるのよ。
わたしたちのために演技しているようなもの。
あなたのベルトを頂戴!」
「本当に叩いても彼女はOKなのか?」
ケイシーは少し笑って、俺のズボンのベルトのバックルに手をかけた。
2秒もせずにベルトをはずしてしまう。
「叩かれたほうがいいのよ!
そう、彼女はOKなの」
俺が全然納得していない顔をしているのを見てイライラしているような言い方だった。
今や、ベルトをブンブン振り回している。
「なぜだ・・・好きでもないのに、叩かれたがるというのは?」
ケイシーがベルトで鞭打った。
女の体が反りかえるのが見える。
以前よりも激しくもがいている。
くつわの中で叫び声を上げようとしているのは明らかだった。
「まあ! 私への借りを身をもって感じているようね」
そう言って、再び鞭打つ。
俺はじっと見ていた。
「あなた。
この女にアナルファックするのよ」
この女は俺の知っているケイシーじゃない!
そう言っても、誰でも信じてくれると思う。
そして、また、鞭打ち。
あのケイシーが、俺に他の女とセックスしろと言っている。
アナルファックという言葉を使って。
鞭打ちが続く。
階段に足音が下のを聞いて振り向いた。
サマンサだ。
階段の真中に立っていて、俺たちを見下ろしている。
ケイシーの方を見た。
サマンサに笑顔を見せている。
そして、振り返って、再びベルトでむち打ちを始めた。
俺もサマンサの方を振り返り、何か言おうとした。
だが、サマンサは指を口に当て、静かにするようにと言う。
それから、一緒に上にあがってきてという合図。
俺は、むち打ちを続けるケイシーを見ながら、サマンサの後に続いて階上に行った。
サマンサは地下室へ通じるドアを閉め、台所のテーブルに座った。
「ちょっとびっくりしたようね」
にんまりしながら言う。
「いったいどうなっているのか、ぜんぜん分らない。
あの女は誰なんだ?」
「ああ、あれはティナよ。
ティナには私がここにいるって気づかれたくないの」
俺は言葉を返さなかった。
サマンサが続けて言う。
「あら、起きていることが分らないの、あなた?
わたしたちケイシーと一度お昼を食べに出かけたとき、話し合ったのよね。
で、私たちみんな、夫や彼氏が同じような倒錯した欲望を持っていることが分ったのよ。
そして、ティナと彼女の彼氏が、あなたとケイシーと同じ欲望を持っているのも分かったわけ。
まあ、そういうことで・・・」
「俺の欲望?」
俺はさえぎった。
少し後ろめたく感じながら。
「そうよ」
サマンサは言った。
俺のことをけなそうという様子が全くなかったので、少し安心した。
「ケイシーは鞭打ちされるのは好きじゃないと言ってたよ」
俺は続けた。
サマンサは笑っていた。
「ケイシーったら、あれを本当に上手に使うわ」
サマンサは立ち上がって、ドアに歩み寄り、開けた。
ケイシーの鞭打ちの音が階段の奥から聞こえてくる。
サマンサは再びドアを閉め、俺のところに戻ってきて言った。
「分るでしょ?
ケイシーはベルトを持たせるとすごく上手なの。
しっかりしているとでも言うのかしら・・・」
まだ話は終わっていなかったが、ちょっと考えているようだった。
それから、俺を微笑みながら見て、言った。
「あなたも使ってみたい?」
立ちあがりながら、両手を自分のお尻のところに当てて見せた。
「俺は・・・」
それについて、そんなあからさまに言うことはできなかった。
サマンサとはほとんど始めて会ったようなものだ。
「まあ、聞いてくれ。
あの女は何で鞭打たれるのが嫌いなのにもかかわらず、鞭打たれているんだ?」
サマンサは座りなおしながら、俺に微笑みかけていた。
「まあ、ティナはケイシーに借りがあるのよ」
俺にはサマンサの笑みが理解できなかった。
「ケイシーはあなたにティナのアナルをやってって言わなかった?」
「言ったよ」
俺はどういうことか理解しようと、夢中になって考えていた。
「ケイシーは・・・多分、ティナを数日ここに監禁するでしょうね」
「数日?」
「ええ、そうよ。
そうね・・・
あなた、何日アトランタに行っていた?」
アトランタ?
最近行ったことと言えば、一週間近く、業界の展示会があって行っていた。
俺は、まだサマンサが何のことを言っているのか理解しようと、ただ、見つめていた。
何で、アトランタが関係するんだ?
俺が見つめている間、サマンサはにんまりと笑顔を見せるだけだった。
その後、地下室のドアの方へ行く。
「そのうち私の番も来るのわ・・・私はティナとね」
微笑みながら言う。
「でも、何も言わないでね。
私がそれをしたってティナには知られたくないの」
サマンサは地下室のドアを開け、俺に後に続いてくるよう手招きをした。
まだ、鞭打ちの音が聞こえる。
降りて行く途中、サマンサが階段の途中で止まってしまい、俺は彼女にぶつかってしまった。
ティナはかなりの苦痛に身を捩じらせていた。
「ほんと、あのベルトを使わせると、なかなかのものね、ケイシーは」
サマンサは俺に囁いた。
俺に話しながら指を俺のペニスの上に当ててくるのを感じた。
「本当にしっかりしてる・・・
ああん・・・
容赦ない人なのね。
私も・・・
ああ・・・
ケイシーにされとどんな感じになるのか・・・
試してみるべきなのかも知れないわ・・・」