「Beach --- 浜辺」  By Deirdre  original

ジュディは高校の頃から、とても順調な人生を送ってきていた。

医者と結婚し、郊外にとても素敵な家を建て、住んでいる。

あんな家に住めたら。

私はいつも夢に思っていた。
 
 
 
 
 

確かに、今はジュディとは暮らす社会的環境が違っている。

だけど、それでも未だに二人は仲良しで、一緒に遊ぶことが多い。

それに、ジュディは、私に親切にすることが好きなようなのだ。

例えばフットボールのチケット。

ジュディたちが行けないとき、私たちにチケットを譲ってくれる。

(それも最高の席のチケット)。

パーティにも呼んでくれる。

もっともパーティに行ってもほとんど誰も知り合いがいないのだけれど。

それにジュディたちが常連の素敵なレストランに何軒か誘ってくれたり。

でも、去年の夏に私たちにしてくれたことより素敵なことはなかった。

あの夏、海岸沿いにある彼女の家に私たちを1週間滞在させてくれたのだった。
 
 
 
 
 

本当に綺麗な家!

2階建てで、ちょっとビクトリア風の家に思わせるような形の邸宅。

天井がとても高い。

大きな窓が海に向かってある素晴らしいリビングルーム。

それにバルコニー・・・。

皆さんも、どんな邸宅かだいたい想像がつくと思う。

しかもとても人里から離れていたのだった。

一番近い町まででも、30キロはあると思う。

海岸に沿って他には同じような家が一軒もないのだった。

海岸はまさに自然のまま。

あの邸宅に行くにはずいぶん車を走らせなければならなかった。

だけど、それだけかけて行く価値は充分にある邸宅だった。
 
 
 
 

私たちが到着したのはとても遅くだったけど、翌朝の天気は最高だった。

一日中、浜辺で過ごした。

完全に私たちだけで、他には誰にも会わなかった。

お金持ちになってプライベート・ビーチを持っているような気分だった。

私は、日光浴をしたり、海に飛び込んだり、ワインを飲んだり・・・

小説を読んだり、ジュディとおしゃべりをしたり・・・

私の夫はジェフ、ジュディの夫はレス。

彼女と一緒に互いの夫が泳いだり、バカ騒ぎをしてたりするのを眺めていた。

そして時が過ぎ、ようやくみんながそろった。

予定としては、みんなで体を洗った後、ジュディたちが話していたレストランに車で出かけることになっていた。
 
 
 
 
 

全員、体が砂まみれになっていた。

レスは私たちを家のパティオに引き連れていった。

そこにはホースがあって、それを使って体から砂をあらかた洗い落とすことができる。

レスはまずジュディに水をかけ始めた。

ジュディはレスの前に立って、くるりと体を回転させていた。

「私とレスの2人だけのときはね、これをするときはいつも裸になっているのよ」

ジュディが言った。
 
 
 
 
 

いつも軽口ジョークを得意としてるジェフが、声をあげた。

「お先に、気にせず、どうぞ!」
 
 
 

「あら、あなたもショーをして見せてくれるの?」

私はニヤニヤしながら夫に訊いた。
 
 
 
 
 

「あら、するなら、みんながしなきゃだめよ。

じゃなきゃフェアじゃないわ!」

ジュディが言った。

私は振り返ってジュディの顔を見た。

本気で言ってるわけないわよね?

ジュディは私をちらりと見て、私の視線を捕らえてた。

「そうねえ、やってもいいかもよ。

ちょっと面白そうじゃない?」

にやりと笑って私を見ている。
 
 
 
 
 

私にそんなことができる?

そんな他のカップルの前で服を脱いで裸になるなんて!

そんなこと何百万年も考えたことがなかったわ。

でもそれをして何か困ることがあるかしら?

まあ、裸で水を浴びれば、家の中に引っ張り込む砂の量を減らすことになるのは確か。

ジュディは水着の肩のストラップに手をかけていた。

私が同意したらすぐに脱ぎ始める用意をしている!

私はジェフをちらりと見てみた。

ニヤニヤ笑っている。

もう一度ジュディを見てみた。

ジュディは、私の表情から「YES」というメッセージを読み取ったに違いない。

肩のストラップをさっさと引っ張り降ろしにかかっていたのだった。

そして、皮を剥ぐようにして水着を脱ぎ始めている!
 
 
 

信じられない!

私たちみんなの前で、ジュディが素っ裸で立っている。

私は、自分の水着の肩ストラップを指でいじっていた。

おどおどしていた。

ジュディは両腕を高くあげ、レスに水をかけられ、ゆっくりと体を回転させていた。

これ以上ないほど嬉しそうな笑顔をしている。
 
 
 
 
 

レスは私の方を向いた。

「次は君かな?」

まるで無邪気な顔をして訊いてくる。
 
 
 
 
 

「あなたたち男の人は何もしていないように思うけど」

そう答えた。

レスはそれに答えるように、ジュディにホースを手渡し、トランクスを降ろし始めた。

私はチラッと見て、そして目を逸らせた。
 
 
 
 
 

「ほら、ちゃんと見ててよ。

ここが、これをする時に、一番肝心なところなんだから」

ジュディが言う。

ジュディは、最初からまったく当たり前のような雰囲気でいた。

「見ても何も困ることはないわ」

私は向き直って、レスを見た。

もちろん、この日一日中、私はレスの体の大半を見ていたのは事実。

だがそれでもショックだったのは変わりがない。

レスのペニスが目の前、みんなに見えている!

レスは、ジュディと同じように、両腕を高く掲げ、くるりと回っていた。

ジュディが水をかけていく。

それが終わるとジュディはジェフにホースを渡した。

「今度はあなたの番ね」

私に向かって言う。
 
 
 
 
 

「さあさ、脱いでしまって、早くね」

私を励ますつもりなのか、息を弾ませながら言う。

結局、私は言われた通りにしたのだった。

水着のストラップを両腕から外し、すばやく水着を引き降ろして足から脱ぎ去った。

ごくりと唾を飲み込むような感じでちょっとだけ緊張を感じた。

だけど、すぐにジェフが私に水をかけ始めてくれた。

私は両腕を高く掲げ、くるりと回った。

砂を洗い流してもらうためであると同時に、見ている3人の楽しみのためにも。

「ジェフ、ホースを私に渡して!」

そう言うと、ジェフはトランクスを脱ぎ、私たちの言うことに従った。

ジェフに水をかけながら、声を出して笑っている自分に気がついた。
 
 
 
 
 

私たちは、いつまでもそのままの格好で外にいたわけではない。

少し体を拭いた後、みんなで一緒に屋内に入り、すぐにジェフと一緒に自分たちの部屋に引っ込んだのだった。

私はシャワーを浴び、ジェフは自分のシャワーの番を待っていた。

二人ともシャワーを浴び、服を着終える。

ジェフがさっきのことについて話を切り出した。
 
 
 
 
 

「君が実際にあれをやったとは、信じられないよ」

「あなたもしたでしょう?」

私はジェフの方に振り向いた。

「私、取り澄ましていたように思う?」
 
 
 

「そうだな・・・

君がああいったことに意欲的になるところは、これまでなかったのが普通だったし」

「でも、ああいったことが話題になったこと、これまで一度もなかったもの」

一応、そう答えた。

そのままジェフとその話題について話を続けようと思えばできた。

だけど、基本的にジェフの言ったことは正しいというのも分かっていた。

あのようなことは確かに私の性格にはそぐわないこと。
 
 
 
 

「とにかく、ちょっとした冒険だったわね。

いい思い出ができたわ」

「ということは、レスの体のことをいつまでも記憶に残していくということだね」

ジェフはにやりとしながら言った。

それに返事をして、その通りだと認めることはしなかった。

だけど、あのことが頭に引っかかっていたのは事実。

そして考えてみて分かったことがあった。

それは、今後一番記憶に残りそうなのは、レスたちの裸を見たことではないという点。

そうではなく、あの二人の前で自分が裸になったという事実だった。
 
 
 
 
 

私たちは全員、早速、車に乗り込み、ディナーに向かった。

道中、さっきのことが話題になるのではと少し不安を感じていた。

そして実際、誰かが車の中であのことを話題にだしたのだった。
 
 
 
 
 

「カメラを持ってきてなかったのが本当に残念」

ジュディが言う。

「ええ、ホント。

撮っていたら、プレイボーイ誌に売れたかもしれないのに」

私が答えた。

「みんな大金持ちになれたかもな」

男性軍の一人が言った。

ある種のお世辞とも取れる言葉だった。
 
 
 
 
 

「そうね、今度、2、3枚ポラロイド写真を撮ってもいいわよね」

ジュディが言った。

その晩、その件についてはそれ以上、話題にならなかった。

でも、私は、密かにジュディの最後の言葉が気になっていたのだった。

その夜、たまたまジュディと二人だけ、トイレに居合わせた。

私は、その機会に、写真のことについてジュディに訊いてみた。
 
 
 
 
 

「ねえ、ジュディ?

ストリップをしたりポラロイド写真で撮ったりとか、興奮するタイプなの?」

「あら、スリルがあるってあなた自身も言っていたじゃない?

写真をとって、破り捨てちゃう前に、ちょっとの間、それを持っている。

それだけでも、ちょっとワクワクすることになるわよ」

その夜、遅く、私は自分が何度かそのことについて考え事をしているのに気がついた。

私は、そういうことに付き合っていけるかしら?
 
 
 

翌日、私たちはまた浜辺に出た。

ジュディは本当にポラロイドカメラを持ってきていた。

ジュディは、カメラのことは何も言っていなかった。

だけど、カメラがあるのを見ただけで、私は少し興奮した状態になっていた。

どうやったら、写真をとられないように、スムーズに避けることができるだろう?

私には分からなかった。
 
 
 
 
 

そしてお昼過ぎになり、みんなでそろって家に向かった。

再びパティオに勢ぞろい。

ジュディはカメラを手にしていた。

カメラを私に手渡して言う。

「オーケー、写して!」
 
 
 

ジュディはすぐに水着を脱ぎ去り、レスが水をかけた。

このときもジュディは両腕を高く掲げ、くるくると回っていた。

私はじっと見たまま、座っていた。

一体、どうすればいいの?
 
 
 

「写真、撮ってよ!」

ジュディは少しいらだっているような声の調子だった。

私はシャッターを押していた。

ジュディは、私が写真を撮るのを待ちながらくるくる回り続けていた。

私が写真を撮ったのを受けて、すぐにホースをレスから取り上げ、レスに水を向ける。

レスも水着を脱ぎ、回り始めた。
 
 
 
 
 

「いいわよ、今度は彼を撮って!」

ジュディが言った。

私は、前日と同じく、喉元に固まりのようなものができた感じがした。

でも、その感じはすぐに消え、シャッターを押していた。

ジュディは私からカメラを受け取り、代わりにホースを手渡してきた。

そして間もなく、今度はジェフが水着を降ろすところを見ている私だった。

たった数秒間で、ジェフは体を洗われ、写真を撮られていた。

そして、とうとうジュディは私からホースを取り上げてしまったのだった。

「大丈夫、できるわよね」

ジュディは私を勇気付けるつもりで言っていた。

多分、私は、おどおどした感じに見えていたに違いない。

結局、私は前日と同じ行動を繰り返し、シャッターを切る音を聞いたのだった。

その後、全員ですぐに屋内に入った。

ジュディはポラロイド写真をキッチンテーブルに並べた。

私たちとジュディたちは、それぞれ一度、各自の寝室に戻り、シャワーを浴びた。

そして、すぐに、全員、階下に下りてきてキッチンに集まったのだった。

私は、テーブルに並んだ写真を一枚一枚手にとって見ていた。

私の体を写した写真。

みんなの体を写した写真。

みんな、水をかけられていたが、それ以外の点では完全に裸体を晒していた。

そのときになっても、本当に自分がしたことだとは信じられずにいた。
 
 
 
 
 

私以外の人も写真を眺めていた。

ジェフが急にジュディとレスに質問した。

「君たち一日中、水着なしで過ごすことがあるのかい?」

ジェフがそんなことを訊くので、私は恥ずかしくなってしまった。

でも、正直言うと、私もジュディたちの答えを聞きたいと思っていた。
 
 
 
 
 

「いいえ、それはしたことがないわ。

でも、夜に浜辺を散歩することはあるわよ」

ジュディはそう言って、くすくす笑う。

私は、どうしても想像してしまうのだった。

ジェフと二人っきりで、裸のまま砂浜を歩く姿。

実際、とても興味をそそられる話だった。

そんな想像は振り切らなくちゃと、私は知らぬ間に頭を振っていた。

ふと気がつくと、ジュディが私を見ていた。
 
 
 
 
 

その後、食事の時間だった。

ジュディが切り出す。

「なんなら、今夜、浜辺に散歩に出かけましょうよ・・・」
 
 
 

「裸で?」

ジェフがニヤニヤしながら訊く。

私も同じことを考えていた。

けど、私はそんなことを言うジェフをたしなめてみせた。
 
 
 
 
 

「そうねえ・・・

電気を消せばいいし。

それにあなたたち二人と私たち二人、反対方向へ散歩に行けばいいと思うわ」

明らかにジュディは「裸で行く」ことを前提として話しをしている。
 
 
 
 
 

「できそうな気がするわね・・・」

私も結局、そう返事した。

そう返事するまで、私はひしひしと感じていたのだった。

他の3人が、私が賛成するかどうか、答えるのを待っている感じがあったのだった。

まあ、いずれにせよ、もうみんな裸を見せ合ってしまっている。

それに、見られるにしても、別方向に歩き出す前に、チラッと見られるだけだ。

何も問題はない。

そう感じていた。
 
 
 
 
 

夕食後、日没を待って、ジュディが宣言した。

「さあ、みんな、服を脱いで、上にローブを羽織って出てきてね。

部屋の電気は消すわ。

パティオに集合しましょう」

みんないくらかワインを飲んでいたし、陽気な気分になっていた。

私はジェフと一緒に着替えをした。

なにか気分的にピリピリした興奮を感じていた。

これは私のこれまでの人生で一番大胆なことになるに違いない・・・。
 
 
 
 

間もなく、全員パティオに集合した。

レスが最後の電気を消した。

「さあ、出かけましょう」

ジュディがくすくす笑いながら言うのが聞こえた。

私は、まだ暗闇に目が慣れていなかったのは確か。

私はローブを脱ぎ、椅子にかけ、そしてジェフの腕にしがみついた。
 
 
 
 
 

「みんな準備はいい?」

ジュディが大きな声で言った。

「いいよ」

私たちが一斉に答える。

確かに準備は整っていて、私も辺りが見えるようになっていた。

何ら苦労なくジュディとレスの体を識別することができていた。

今までとはとても違った感じだった。

単なる無邪気な遊びとは質が違っていた。

性的な様相が加味された状況になっていた。
 
 
 
 
 

「それじゃあ、出発!」

ジュディはそう言って、私たちが歩いていく方向を指し示してくれた。

彼女自身はレスを連れて、逆方向へ浜辺を歩いていった。
 
 
 
 
 

私とジェフは、手をつないで浜辺を歩いた。

でも、何も話さなかった。
 
 
 
 
 

「ドキドキしてる?」

ようやくジェフが口を切った。

静かな声だった。
 
 
 
 
 

「ううん、してないわ」

私は嘘をついていた。
 
 
 
 
 

「ほんの少しも?」

重ねて訊いてくる。
 
 
 
 
 

「ちょっとだけね」
 
 
 

「ちょっとここで・・・」

そう言ってジェフは立ち止まり、私のもう一方の手も取った。

すぐに私たちはキスを始めていた・・・

互いにぶつかり合うようなキスではない。

互いに手を取り合いながら寄り添い、軽く唇に触れ合うようなキスだった。
 
 
 
 
 

ようやく唇が離れ、私は言った。

「素敵なキスだったわ」

家の方を振り返って見た。

その私の様子をジェフが見ていたのは確か。
 
 
 
 
 

「さあ歩こう」

ジェフは、私の手を取り、引っ張るようにして先に進んだ。

二人もう少し先まで歩く。

そして私はまた振り返ったのだった。

多分、ちょっと、おどおどして振り返ったのだと思う。

突然、ジェフが私の体を強く引き寄せ、私の耳元に囁きかけてきた。

「愛しているよ」

二人の唇が重なり合った。

すぐに彼の舌が私の口の中に侵入してくるのを感じた。

私は両腕をジェフの背中に回し、きつく抱き寄せた。

ジェフの方は私を抱きしめてはいなかった。

彼の両手は私の背中を軽く上下に擦っていた。

お椀のような形にした手でお尻の双肉を触られるのを感じた。

その後、両手は再び滑りあがってきて、私の体を包み込むように抱きしめた。

ジェフの胸板に私の乳房が押しつぶされるのを感じた。
 
 
 
 
 

ちょっとキスを解いた。

ジェフは私を引き寄せ、胸に抱きすくめた。

そして、すぐに再びキス。

前よりも切羽詰った求め合い。

ジェフが私の耳元に囁いた。

「君が欲しいよ」

その言葉に、私は膝ががくがくする感じになった。

その場に崩れ落ちそうな感じになっていた。

ジェフは私を優しく地面に降ろさせた。

砂浜に腰を下ろすと、彼も隣に座った。
 
 
 
 
 

静かな声が聞こえる。

私自身の声だと気がつく。

ジェフに対して静かに答えているの私がいたのだった。

「ジェフ・・・今はこれ以上は進みたくないわ・・・」

ジェフも理解してくれたようだった。

「ごめんなさい・・・

近すぎると思うの・・・あの人たちに。

後で・・・いい?」
 
 
 
 

「連中が、今、何をしていると思う?」

ジェフが訊いてきた。

でも、ジェフ自身、分かっていたと思う。

そういう質問をして、彼はかえってムードを壊してしまったことを。

私は内心、ジェフに少し申し訳ない気持ちになっていた。

でも、砂の上で仰向けになるのはチクチクとしそうで乗り気がしなかった。

もっとも、そんなことは本当は関係なく、問題は別のところにあるのは事実だった。
 
 
 
 
 

「分かった。

じゃあ、起き上がろう。

でも、もう一度だけキスをさせておくれ」

とうとうジェフはそう言ってくれた。

私は、ほっとした気持ちになっていた。

特に、ジェフがもう一度キスをしてくれたときにそう感じた。

私たちは、早速元の方向に歩きだした。

そしてジュディたちが帰ってくるのをパティオで待っていたのだった。

裸のまま座って待っているのは、妙な感じだった。

だけど、服を着ることもできないと思っていた。

ジュディたちが戻ったとき、私たちだけが服を着て、彼女たちが裸のままというのも失礼だと感じていた。

ジェフは、待つ間、私の両足を膝の上に乗せ、マッサージをしてくれていた。

私は、早く寝室でジェフと2人っきりになりたいと感じていた。

待ちきれない気持ちになっていた。
 
 
 
 
 

しばらくして、ジュディたちが戻ってきた。

ジュディは、何ら気にしない様子であっけらかんと訊いてきた。

「で、どうだった?」
 
 
 

「ロマンティックだったよ」

ジェフはいつも会話のリズムを崩すことなく間髪をいれずに答えてくれる。

私は、他の人を待たずにすぐにローブを羽織った。

他の人がローブを羽織る時間は充分にあったと思ったから。

私はジェフを引っ張るようにして二階に上がった。

寝室に入り、すぐに電気を消し、ジェフをベッドに引き入れた。

そして愛し合った。

これまでになかったほど情熱的な夜だった。
 
 
 
 
 

翌朝、ジュディが訊いてきた。

「で、昨日のあれ、どうだった?」

彼女は、こういうことについて本当に恥ずかしがるということがない。
 
 
 
 
 

「え、ええ・・・

そうねえ・・・

『原始的』だったわ」
 
 
 

「言いたい意味が分かるわ」
 
 
 

「地球上で私たちしかいなくなったような気がしたわ。

文明がまったくなくなってしまったような。

とてもよかったわよ」
 
 
 

「そう、その気持ちも分かるわ。

私たちもあれは時々しかしないのよ。

だからまだあれは私たちにも特別なことなの。

そう・・・

あなたも二人だけになって文明から離れる感じが気に入ったのね?」
 
 
 

「ええ、でもキッチンは文明的なのが好き」
 
 
 

「それにバスルームもでしょ?」

ジュディも切り替えした。

それから付け加えるようにしてジュディは言った。

「ねえ?・・・

私たち、あなたたちのために、もっといいことをしてあげられるわよ」
 
 
 

「うん?」

ジュディが何のことを言ってるのか分からず、訊き返した。
 
 
 
 
 

「つまり、その気になれば、あなたたち、もっと文明から離れることができるということ!

あなたたち二人を車で15キロくらい離れたところに連れて行ってあげようか?

浜辺に降ろして、あなたたち二人だけにしてあげる。

そして後で、連れに戻るわ」
 
 
 

一体、何がきっかけでジュディがこの方向に考えを進めたのか?

私には分からなかった。

「それはまったく問題ないわよ」
 
 
 
 

「ねえちょっと考えてみてよ」

ジュディは私をじっと見つめて言った。

ジュディは、私が言葉とは裏腹に、そんなことはしないと決めてかかっているのが明らかだった。

「私、本気で言ってるの。

あなたとジェフが二人っきりで海辺にいるの。

周り20キロには誰もいないのよ。

二人だけの世界。

顔を合わせる人は誰もいないの。

二人だけ。

ああ、素敵だと思うわ」
 
 
 

確かにジュディの話に私は引き込まれていた。

その情景を想像し始めていた。

「すっごくロマンティックだと思うわ。

私には分かる」

私は、ジュディがまた別のアイデアを思いついて顔を明るくさせるのを見た。

「そうよ。

あなたたちを別々に違った場所に降ろすことも出来るわ。

そこから互いに互いを探しあうの。

浜辺をたった一人の相手を捜し求めて歩くのよ!」
 
 
 

「ジュディ!」
 
 
 

「ホント、素敵!

そうねえ・・・こんなことも出来るわ。

あなたたちをだいたい1.5キロくらい離れたところで別々に降ろすのよ。

それぞれにはどっちの方向に歩くべきか伝えるわ。

そうしてあなたとジェフが、出会うまで歩きつづけるの!」
 
 
 

「ジュディ・・・

私たちのことを考えてくれてありがとう・・・

でも・・・」
 
 
 

「ホント、すごい興奮になると思うわ!」

断ることすらさせないジュディだった。

私はまだ何もするとは言っていない。

どうやったらこの状態から抜け出ることが出来るのかしら?
 
 
 
 
 

でも、心配しつつも、私がその情景を想像していたのは事実だった。

確かにとても興味をそそられる。

そのときはそれで話が終わった。

だが、その次にジュディと話をしたとき、彼女は私の様子を改めてじっくり見ていた。

私がその話がどんなことなのか分からないでいると、見て取ったようだった。

私は恥ずかしさを感じていたが、ジュディはまったく気にしていないように見えた。

ただじっと立って話を聞いている私。

その私の前で、ジュディはどんどん計画を進めていった。

間もなくジェフにもその計画が知らされる。

そこまで行くと、もう逃げられないと思うほかなかった。
 
 
 
 
 

そういうわけで、ある夜、遅くなってから、ジェフと私が車に乗っていた。

ローブ一枚で他に何も身につけずに、ジュディたちの車のバックシート。

浜辺に送られていたのだった。

「私たち、あなたたちを降ろした後は家に戻ってるわね。

3時間後に連れに戻るから」

ジュディたちは私とジェフを2キロくらい離れたところに別々に降ろすつもりだった。

そして、連れ戻すときには、その中間地点で待っていることになっていた。

浜辺に歩いてきて、ランタンをふって合図を送ってくれると言う。

本当に自分がこんなことをしているの?

私は信じられない気持ちだった。
 
 
 
 
 

間もなく、ジェフを降ろすために車が止まった。

ジェフには、今、車で来た方向に歩いて戻るように指示していた。

ジュディはまた別のことを思いついたようだった。

「ねえ、二人とも聞いて。

二人が出会った時、絶対、一言も口を利かないこと!

ランタンを見るまで絶対何も言っちゃだめよ!」

ジュディがこんなにイマジネーションの力があるとは!

全然知らなかった。

ジェフを降ろした後、家の方向に走り、今度は私が降ろされる地点についた。

どちらの方向に歩くべきかしつこく私に教えていた。

(まるで、私が間違えると思いこんでいるような感じ!)

そして、とうとう、今のこの状態。

私は、たった一人、素っ裸のまま浜辺にいる。
 
 
 
 
 

空は曇っていて月や星もなく、あたりは本当に真っ暗。

たった一人で砂浜にいることがこんなに恐ろしいとは。

私は、それを考えるのを忘れてしまっていた。

どうして怖いと思うのかは分からなかった。

でも、狂った殺人鬼がいたるところに潜んでいるように思えてしかたなかった。

このような状況で浜辺にいるなど、一生で一度の経験だと思う。

でも、恐怖を感じて心配することしかできない。

私は自分をたしなめ元気づけた。

今にも走り出したいと思う自分がいた。

だが、無理にでも落ち着いて歩くようにしていた。

事実、こんなにゆっくりのペースでも、暗闇の中、足元を確かめるのがとても難しかった。

目をしっかり見開いたまま歩きつづけた。

目に見えるあらゆる影を見ては、ジェフかどうか確かめていた。

本当に信じられないくらい心臓が高鳴っていた。
 
 
 
 
 

とうとう誰か人影を見た。

ジェフに違いない。

私は近づいた。

さらに心臓の鼓動が高くなる。

一言も言ってはならない約束だったけど、私は「ジェフ?」と小さな声で訊いてみた。

この程度の声なら大きく約束を破ることにはならないだろうと思う自分がいた。
 
 
 
 
 

「そうだよ!」

彼の返事が聞こえた。

私は彼に駆け寄り、両腕を広げて抱きついた。

そしてすぐにキスをした。

とてもほっとした気持・・・

それにとても興奮も!

彼の体の感触。

彼が両手で私の体を触るのを感じる。

そして、彼は、すぐに私の脚の間を手で触れてくるのを感じた。

いつの間に彼の手がそこにたどり着いていたのか、私には分からない。

私は、両腕で包み込むようにして、ジェフにしがみついていた。

喘ぎ声が聞こえていた。

私自身の喘ぎ声だった。

あと1分も経たないうちに、この立ったままの姿勢で、達してしまいそう。

注意してなければ失神してしまいそう。

2人とも言葉は交わさなかった。

最初は2人ともズルをしたけど、その後はジュディの取り決めを守っていた。

そして、間もなく、私は達していた。

ジェフは私の体を支えていてくれた。

でなかったら倒れこんでしまっていたと思う。
 
 
 
 
 

ジェフが、再び私にキスをしてくる。

私もまだ終わっていないと感じていた。

彼が欲しい。

私の中に欲しい。

私たち2人っきりで、裸のまま。

完全な暗闇。

吼えるような波の音があたりを満たしている。

日常生活のことを思い出させるものは誰もいないし、何もない。

とても野性的で、原始的な感じ。

ジェフは私を砂の上に降ろした。

2人並んで腰を降ろした。

私は、ちょっと後ろに体を倒し、両肘で上半身を支える格好になった。

そのまま砂の上に仰向けになろうか?

でも、何か違うような気がして、私は一度起き上がった。

そして、両手、両膝をついて四つん這いになったのだった。

お尻をくねらせながら、ジェフの体に腰を押し付けた。

彼は私の脚の間に手を差し入れ、私を指でいじり始めた。

私はすごく濡れていた。
 
 
 
 
 

四つんばいの格好。

私はこれまで一度もこの格好でしたことがなかった。

ジェフは素早く私の後ろに回って、膝立ちする格好になっていた。

ペニスをあてがい、私の中に入ってくるのを感じる。

腰の両側を手でしっかりと抑えられるのを感じる。

そして、私の中に押し入れられるのを感じた。

私は溜息を漏らしていた。

ジェフは、すぐには出し入れの動きを始めなかった。

入れたまま、前のめりになって私に覆い被さり、乳房を触ってきた。

両方の乳首を指で触られた。

強烈な感覚に、その場で死んでしまいそうに感じた。
 
 
 
 
 

そしてジェフが動き始める。

入ったり出たり。

原始的・・・

そう言えば、私たちは寝室ですらこの体位をしたことがなかった。

ましてや、今は野外。

2人とも全裸で、2人だけの世界。

周囲20キロには誰もいない世界。

とても野性的でとても自由になった気持になっていた。

こんな風になるのを自分が気に入るとは思ってもいなかった。

つまりこの体位ですることのことだけど。

あれほど気に入った理由の一つは、このときの状況があったに違いない。
 
 
 
 
 

彼が私の中で達するのを感じた。

私も叫び声をあげていたと思う。

その後、気がつくと、私は、砂の上、彼の横に座っていた。

彼に両腕で抱かれていた。

そして、互いに抱き合いながら崩れるように砂の上に横になっていた。

私は、砂の上に横になりたくはなかったのに・・・。

多分、あそこにいたとき私はちょっとの間、自分が自分でなくなっていたのだろう。
 
 
 
 
 

一旦、地面に横になった後は、私は気にしなくなった。

2人で横になりながらキスをしたり、抱き合ったりした。

私はジェフのペニスを指でいじっていた。

もう一度それに命を吹き込むことができるだろうかと確かめるつもりで。

私たちは連続して2回することは一度もなかった。

ジェフにはそれができないだろうと私が勝手に思いこんでいたからかもしれない。

でも、あの時は、他に何もすることがなかったのだと思う。

その時、ふと私は、普通の私とは違うことをしようと思ったのだった。

体を起こして、唇で彼のペニスを包んだのだった。

それを舐めながら彼の顔を見上げてみた。

私がうまくやっているように見えてるかどうか、確かめるために。

でも暗すぎて、何も見えなかった。

ただ、彼がすぐに元気を取り戻してくるのを感じてはいた。

再び硬くなってきているみたい。

確かに硬くなった。

それを実感したとき、突然、ジェフは体を起こした。

さらに彼は立ち上がったのだった。

ジェフは何をしようとしてるのか、分からなかった。

彼は私の腕を取り、体を起こさせようとする。

私にひざまずかせたがっているのだとすぐに理解した。

彼は私の前に仁王立ちになった。

私の顔を押さえ、優しくペニスに引き寄せていく。
 
 
 
 
 

このような体型になったことは一度もなかった。

それに普通の状況なら、屈辱的な体型だと思ったことだろう。

でも、あの夜、私の中の何かがはじけて自由になっていたと思う。

私はすぐに彼のペニスを口に入れなおした。

そして、彼をいかせるために夢中になって尽くしたのだった。

たった数分間で、私の努力は実ることになる。

彼が発射しそうになるまで私はそのままの姿勢で保った。

射精が始まってから、地面の砂だけに振り掛かるように注意を払った。

私にこんなことができるとは!

信じられない気持だった。
 
 
 
 
 

ジェフは射精が済むとすぐに砂の上に座りなおした。

彼の手が再び私の脚の間に触れてくる。

私は、ふらふらと失神してしまいそうな気持になっていた。

そして、気がつくと、仰向けに横になっていたのだった。

彼は私の脚の間にいた。

私を舐めている!

その後の私はくりかえし達していた、2度、3度・・・。

何度でも際限なくいきそうな感じ。

とうとうジェフは体を這い上がらせて、私の横に来て、もう一度キスをしてくれた。

その後は2人で座ったまま、そこにいた。

ランタンの明かりが来るのを見張りながら。

最初に会ったときに私の問いかけにジェフが答えた後は、2人とも一切言葉を交わさなかった。
 
 
 
 
 

「すごくよかったでしょう、賭けてもいいわね」

帰りの車の中でジュディが言っていた。

でもジュディは、心優しくしてくれていた。

多分うるさいほど訊かれるのだろうと思っていたが、そのようなことは慎んでくれていた。

ジェフと2人バックシートで静かに座っているままにしてくれていたのだった。
 
 
 
 
 

翌朝、私たちは帰ることになった。

ジュディはそのときもまだ訳知り顔をして私を見ていた。
 
 
 
 
 

「ああ、ジュディ?

あのポラロイドについてはどうなるの?」

あの写真についてはすっかり忘れていたので訊いてみた。

ジュディは、ちょっと変な表情をして答えた。
 
 
 
 
 

少し間を置いて、ようやく口を開く。

「秘密を守れる?」
 
 
 

「ジュディ・・・なんなの・・・?」
 
 
 

「こっちに来て」

そう言って、私を引っ張るようにして彼女たちの寝室に連れて行った。

1冊のスクラップブックを取り出し、それを開いて見せる。

あの4枚の写真がそこに綴じられていた。

だけど私の注意を引いたのは、そのスクラップブックの残りのページ。

前の方のページをめくると、どのページにも、私たちのように水を浴びている裸の人々の写真があった。

そして、その数々の写真に挟まるようにしてたくさんのジュディとレスの写真も。
 
 
 
 
 

「どう思う?」

ジュディが訊いてきた。

私は彼女を見つめた。

私たちの写真・・・ジュディを信用してよいのだろうか?
 
 
 

「あなたとレスのちょっとした趣味ということ?」

心の中のショックを隠そうと努めながら訊いてみた。
 
 
 
 
 

「誰もこの写真を見ないわ」

ジュディは、私の懸念を読み取っていたようだ。

私はさらにもう少しページをめくって見た。

こんなにたくさんのカップルがジュディたちのカメラの前で裸になったとは。

見ながら驚いていた。
 
 
 
 
 

「このこと、ジェフに言ってもいいわよ」

私の反応を伺いながらも、ジュディは付け加えるようにして言っていた。

私はジェフにはまだ言っていない。

多分、誰でも人は、何か秘密があることが必要なのだと思うから。
 



おわり