夫のデイブが、緊縛タイプの状況に興奮する人だということに気がついた。
でも、私は、これまでいつも、そういったことには恥ずかしがって相手をしなかった。
しかし、夫の誕生日が近づいてきていたとき、私はちょっと考えてみた。
夫に、本物の「夢が叶った」と言える一夜をプレゼントしてもいいのではないかと。
夫は私にどんなことをさせたがるだろう。
いろいろ考えてみた。
一晩だけなら耐えられるのではないだろうか。
最終的に自分を納得させた。
夫は、私を心から愛してくれている。
だから私の体を傷つけたり、危険な目に遭わせたりはしないだろう。
それにたった一晩だけのことなら、私も夫にどんなことをされても耐えられるだろう。
でも、このことを夫に話すのは少し恥ずかしかった。
緊縛のことについて話したのはずっと前だった。
それもはっきりと話し合ったわけではない。
ちょっとした、ほのめかし程度だった。
そこで私は夫に手紙で伝えることにした。
職場で手紙を書いた。
性的なことであれ他のことであれ、夫が望むことならどんなことでもすると書いた。
私の秘書のメアリは不審に思っていたようだった。
私が、彼女に手伝ってもらわずに自分で手紙を書き、しかも夫に郵送するように言ったから。
確かにメアリに手紙を渡すとき私は顔を赤らめていたと思う。
メアリは、時々、邪悪そうな顔をしてみせることがある。
あたかも、私が教えた以上のことを知っているかのような感じを抱かせる。
ともかく、私は秘書の反応については忘れようとした。
デイブは、このことについて何も言わなかった。
長年の夢が叶う一夜をさしあげます。
そう告げられたばかりの人にしては、驚くほど冷静にしていると思った。
でも、とうとう誕生日の前日に夫は反応を見せた。
私が夫に伝えたのと似た方法で応えてきたのだ。
その日、職場で、夫からと思われる手紙をメアリから受け取った。
封筒には表に私の名前がタイプで打ってあるだけ。
だけど夫からの手紙に違いないとすぐに分かった。
メアリは、またもすべて分かったような表情をして私を見ていた。
イヤな人。
私は自分のオフィスで、破るようにして封筒を開け、中の手紙を読んだ。
全然、プライベートな感じがしない文面。
指令がタイプで打ってある。
その夜、仕事の後、ある場所に車で行けという指示。
その場所は、田舎はずれで、私が行ったことがない方向だ。
すぐに不安にかられた。
この計画すべてに不安を覚えた。
でも同時に、デイブがこの遊びに乗ってきたのを知って安心もしていた。
私が突然こんなことを言いだして夫は気持ちが冷めてしまうのではないか。
そう危惧していたようなところが私のどこかにあったに違いない。
その晩、仕事を終えた後、私は手紙の指示に従った。
車で行って45分ほどの所だと分かった。
運転して行くにつれ、どんどん道が狭くなっていく。
森の中の小道を進む。
ようやく目的地に着いた。
どこなのかさっぱり分からない森の真ん中の小屋。
日が暮れて暗くなっていた。
誰もいないし、何もない。
手紙には、そこに着いたら、また別の指示を受けるだろうとしかない。
私は車から出て、ドアをノックした。
ドアを開けてみようとした。
でも鍵がかけられている。
メッセージがないかと辺りを探した。
大きな声をあげてみようかと考えた。
でも正直、森の中でたった独りなので、怖くて大きな声をあげることなどできない。
しかたなく車に戻った。
すると、前には気がつかなかったのだが、後部座席に鞄があった。
案の定、鞄の中にはメッセージの手紙。
それに道具がいくつか。
ディルド、手錠、ロープ、それにまだよく調べていないものがいくつか。
それを見て、何かが始まっていると私はすぐに理解した。
手紙を読んだ。
驚いたことに、小屋の窓を試してみろと書いてある。
鍵がかかっていたら、ガラスを割ってでも開けるべきだと。
窓に行って試してみた。
幸い、鍵がかかっていない窓が一つあった。
そこを開け、這うようにして中に入った。
私は手紙の指示に従って、電気をすべてつけた。
確かにこの小屋には電気が来ている。
部屋の隅には、鉄フレーム製の古いダブルベッドがあった。
指示によると、ここで私は服を脱がなければならない。
さらに、ディルドとお尻に潤滑を与え、ディルドをお尻に入れなければならない。
これまで、お尻の方で何か性的なことをすることなど一度もなかった。
今夜、お尻の方で何かをされることになるかも知れないのは、確かに可能性として考えてはいた。
一時的に後悔を感じた。
だが、こういったことは半分は予想していたこと。
それに、私自身が想像していた最悪のことではない。
それは確かだ。
私は意を決して服を脱いだ。
(暖かい夏の夜だったのが幸いだった)
KYゼリーをたっぷりとディルドと体に塗りつける。
横寝する形でベッドに横になる。
そして、ディルドをお尻の穴に入れていった。
自分に言い聞かせて体をリラックスさせる。
ゆっくりと時間をかけてしなくてはならなかった。
そして、ついに、中に入れることができた。
少し出し入れをしてみた。
デイブのを入れられることに対して、以前のような嫌悪感がなくなってくる。
もっと言えば、それをデイブにされるのを少し期待する気持ちにもなってきていた。
・・・そう、ちょっとした冒険としてなら。
次の指示の内容を知って、私は先の指示の時と同じくらい緊張した。
その時になってようやく、ロープのデザインの意味を知る。
そのロープは、明らかに、私の体を大の字にベッドに縛り付けるようデザインされていたのだ。
手紙の指示は、まさにそういう格好に自分自身を自分で緊縛すること。
まず両足を縛った。
腕の方は、両手首にリストバンドを装着、ベッドの左右のコーナーから伸びるロープのフックをリストバンドに引っかけて拘束するものだった。
鞄には、ウオークマン、目隠し、それにくつわもあった。
指示に従い、ウオークマンのイヤホンをつけロック・ミュージックを大音量で鳴らした。
そして目隠しとくつわを自分でつけた。
それから手探りで、ロープをたぐり寄せ、リストバンドにホックをはめていく。
これのホックをはめると私は完全に拘束されてしまう。
ベッドの上、うつぶせに大の字になる。
すべて指示通りになるには時間がかかった。
顔をベッドに埋めるようにして横になり、目隠しとくつわをしたまま、最後の腕にロープをつなごうともがく。
ロック・ミュージックが耳にがんがんと鳴っている。
そうしながら、夫が来るまでずいぶん待たされることになるかも知れないと思っていた。
たった10分放置されただけでも何時間のように感じるだろう。
でも、私がもう一つの手首を拘束し終えたちょうどその時だった。
突然、何かが私のお尻に押し込められた。
くつわの中で悲鳴を上げた。
激しく入れられた。
何秒かして、分かった。
デイブが私の上に乗って、お尻にしているのだと。
幸い、私のお尻は夫のペニスをうまく受け入れられていた。
私は、興奮で今にも飛び上がりそうな気持ちになっていた。
心臓がこれまでにないほどドキドキしている。
夫は驚くほど短時間で達してしまい、私のアヌスに射精した。
ペニスを引き抜き、座り直し、そして私から離れた。
(夫だといいのだけど!)
少しした後、彼が両手で私の背中を撫でてくれるのを感じた。
両手を優しく上下に動かし、背中を撫でてくれる。
こっちを愛撫したり、そっちを愛撫したりと手を這わせてくれる。
私の背中から足にかけて、ほぼ、すべての場所に触れて撫でてくれた。
私はまだ緊張していたと思う。
でも時々、手が二つ以上あったのではないかと思う時があった。
とても優しくソフトなタッチ。
夫が私にこのようにしてくれたことはなかった。
私は興奮していた。
信じられないほど濡れていた。
私の中に来て欲しいと思っていた。
あそこの方に。
くつわが口から外された。
「デイブ? デイブ?」
すぐにそう言ったけど反応はなかった。
じきに私も訊くのは止めてしまった。
今夜は夫の夜なのだから。
夫はベッドの上に這い上がってきて、うつぶせに拘束されたままの私の腕の間に入ってきた。
彼の両足が私の両腕の下に入ってくる。
私の顔の直前に彼のペニスが来る位置になった。
頭を上げられ、上を向かせられる。
口にペニスを入れようとしているのは明らかだった。
これも、私は一度もしたことがない。
けれども、させられるかも知れないと心では覚悟していたこと。
口に入れて吸った。
私もとても興奮していたので、次第に夢中になっていく。
自分がしていることを気にすることなく、できる限り強く吸ってあげた。
夫は、次第にベッドからお尻を浮かすようにしている。
私の口から半分くらい引き抜いては、また押し入れるように繰り返し動き始めている。
私もできる限り激しく吸い続けていた。
彼はだんだん乱暴に動くようになっていた。
二人ともまるでセックスをしている時のように、私は頭を動かし、夫は腰を動かしていた。
あそこやクリトリスに触って欲しい。
触って欲しくてたまらない気持ちになっていた。
口一杯に精液が出された。
もう何年もしてきていて慣れているかのように、私は出されたものを飲み込んだ。
私は、満たされないまま、堪らないほど高まった気分のままだった。
夫は、私に休みをまったくくれなかった。
すぐに、くつわが元通りに私の口にはめられる。
ウオークマンは外され、両腕の拘束も外された。
その代わり、後ろに両手を回され、後ろ手に手錠をはめられた。
それから、足の拘束が外され、体を起こされた。
大音響で音楽を聞いていた後なので、森の木々の音や私たちが動く音がとても変に聞こえる。
夫に支えられて立たされた。
そして、小屋の外へ引き連れられ、森の中へ歩かせられる。
手錠、くつわ、それに目隠し。
それしか身につけていない素裸の格好で森の中に連れて行かれる。
森の木々の音がだんだんと大きく聞こえてくる。
ゆっくりと歩いた。
目隠しのために私には何も見えなかったから。
全くの暗闇。
夫は一言も話さなかった。
ただ、私を連れて森の中を歩くだけ。
とうとう、彼が立ち止まる。
体を地面に倒すように促される。
何もない土の地面のようだった。
暖かい夜だったけど、地面は冷たかった。
顔を下に向けられ、うつぶせにされる。
地面に杭を打ち込んでいる音。
両足首をその杭に縛り付けられた。
それから手錠を外され、両手も同じように杭に縛り付けられる。
私は、またうつぶせで大の字に縛り付けられてしまった。
今度は野外の森の真ん中で。
冷たい地面の土の上に。
そして、夫はいってしまった。
彼の足音が遠のくのが聞こえる。
くつわの口で叫び声を上げる。
車のドアがバタンと閉まる音。
車のエンジンがかかり、そして走っていく音。
その後は森の音しか聞こえない。
さっき小屋の中にいたときよりも、今の方がずっと心臓がドキドキしているのを感じる。
でも、私には、ただ待っているほか何もできない。
虫の鳴き声、木々を吹き抜ける風のささやき声。
それを聞きながら、私に起きるかも知れないいろいろなことを想像しているほかない。
突然、その場にいるのは、私だけではないことに気がつく。
できるだけじっとして静かにしてようと反応した。
それが何であれ、それに私が見つからないように。
だけど、すぐに手が私の足を上下に這いさするのを感じる。
またくつわの中で叫び声を上げた。
チャックが下ろされる音が聞こえた。
誰かが私の上にのしかかってくるのを感じる。
また、後ろの方に侵入しようとしている。
これはデイブなのよ!
自分に言い聞かせる。
デイブは、立ち去ってしまったと私に思わせるように罠をかけたんだわ。
落ち着いて合理的に考えようとしてみた。
あの念の入った指示といい、準備といい、これは全部、デイブの計画の一部なのだと分かる。
夫はまた私のアヌスにピストン運動をして、そして中に射精した。
そして立ち上がる。
チャックを上げる音。
立ち去っていく音。
再び、しばらく何も聞こえなかった。
車の音がする。
近づいてきて、止まった。
再び車のドアの音。
足音。
さっき私のアヌスをやって立ち去った人がデイブであれ誰であれ、その時とは足音がすごく違う。
縛りをとかれた。
手錠をされた。
そして歩かされた。
すぐに車の所に来た。
私のすぐ横で、車のドアが開く音。
私は体を押されて車の中に入れられる。
体が車のシートに倒され、お尻と両足がドアの外に出ている状態。
お尻に刺すような痛みを感じた。
ピシャリと叩く音。
ムチのようなもので叩かれている。
当然、私が何を使って叩かれているのかは分からない。
でも、本当に刺すようなピリピリする痛み。
体を跳ねらせて、立ち上がろうとした。
でも、すぐに体を元の位置に押し戻される。
力強い手で、その位置にいるよう体を押さえつけられる。
それからさらに数回、鞭打ち。
本当に痛い。
鞭打ちの後、指であそこを触られるのを感じた。
自分でも言うのも恥ずかしいけど、あそこはすごく濡れていた。
いや、今夜、濡れていなかった時があるのかどうか。
それは私には分からない。
だけど、私は自分の意識が分からなかった。
ともかく私の意識は、このような状態をとても感じると思っているらしい。
指はすぐに私のクリトリスをも責め始めた。
私が狂ったような状態になるまで触られ続けた。
これまでにない程、連続して達した。
体全体に痙攣が走った。
そしてほとんど失神した状態になってしまった。
意識が回復し、自分を取り巻く状況を考えられる状態に戻った。
気がついてみると、あたりに何も聞こえない。
しばらく、同じ姿勢のまま、じっとして待っていた。
その後、立ち上がった。
手錠の鍵がはずされているのに気がついた。
何もしないのに地面に手錠が落ちた。
何秒か身を凍らせて耳をすました。
何も聞こえない。
目隠しとくつわをはずした。
私が自分の車にいるのが分かった。
ぶるぶると寒気がした。
小屋に戻って衣類を探した。
服はあったが下着はなかった。
鞄にあった道具類は、私の体に装着されていた物以外、すべて消えていた。
私は、その日着ていた服(普通の仕事着)を着て、車に乗った。
そして、家に戻った。
家には明かりがついていた。
家の中に入った。
デイブは椅子に座ってテレビを見ていた。
まるで一晩中、そうして座っていたような様子。
私はその日の出来事に気持ちを乱されたまま、立ちつくしていた。
それに対して、夫はまったく平静に座ったまま。
私は時々金曜の夜に職場の友達と遊びに出かける。
そういう時に私が帰ってきたときのデイブの様子と、薄気味悪いほど同じだった。
デイブはあの夜のことについて、一度も話さない。
あの日の翌日、私たちは、毎年してるのとまったく同じように彼の誕生日を祝った。
あの夜の後も、私たちの性生活はまったく変わらなかった。
あんなことを全部したデイブが、その後もほとんど変わらないことが、私には理解できない。
私は、あの夜のことを口に出してしまいたくなる時が何度もあった。
でも恥ずかしさのあまり、一言も言うことができないでいる。
それに、最悪のケースとして、あの夜については恐怖も感じているのだ。
奇妙すぎる考えで、あり得ないことだとは分かっているのだが。