「花嫁 -- Bride」  original  by deirdre

彼女、どこにいるの? 私はヘレン・ベンソンの結婚披露宴に来ていたけど、そのヘレンがどこかに行ってしまったのだった。ヘレンと私は小学校の時からの友達。もっと言えば、一番の親友。まるで姉と妹のような関係で、高校のときの入試も期末試験も一緒に経験してきた。でも、その後、大学に進むことになったとき、私は東部の大学に進み、ヘレンは地元に留まって短期大学に進んだのだった。離ればなれになって最初の1年は、電話でたくさん話し合っていたし、私が帰郷したときはいつも互いの家に遊びに行っていた。でも、それから1年ほどしたら、結局は電話もしなくなって、私が帰省したときだけ会って話すような関係になっていた。

ママは、私に、私が子供の頃のようにはヘレンのことを分かってはいないと言っていた。だけどママは間違っていると思う。だって、確かに私が帰って来るのは年に多くて2度程度だけど、帰ってきたときはいつも、一緒に遊んでいたし、それに会うと毎回、まるで毎日会っていたかのように、おしゃべりを始めたものだもの。ママは納得していないようだったけど、でも、ママは小学校時代、私にとってのヘレンのような、すごく親密な親友がいなかったのじゃないかしらと思っている。

ヘレンから、ジムと結婚するつもりと聞いたとき、少しびっくりしてしまったのは認めるわ。ジムについてあまりよく知らなかったのが事実。でも、そもそも私がジムのことをよく知らないのは、ヘレンと私が、年に2、3回程度しか話し合わなくなっていたから。それだけの理由なの。だから、ヘレンに花嫁の付き添い人になって欲しいと頼まれたときは、自分がまだヘレンの一番の親友だと分かってとても嬉しかった。

結婚式は本当に美しかったわ。・・・ヘレンはとてもステキに見えたし、それにあの、完璧と言っていいような美しいウエディング・ドレス!  純白で、ステキなデザイン。清純そうに見えて、同時に彼女のプロポーションもしっかり強調している。ヘレンは、もう圧倒的な美しさ。私が結婚するとき、彼女と同じように綺麗に見えるかしら。少し不安になっていた。

なのに、ヘレンは披露宴になって姿を消してしまったの。心配になってきていた。新郎ジムもちゃんといるし、ヘレンのお母様もいらっしゃる。ヘレンが何か困ったことができたとして、へレンがその困りごとを相談しそうな人はみんな会場にいた。そう言えば,ヘレンは写真撮影の間、シャンパンをたくさん飲んでいたし、披露宴会場に来てからもまた飲んでいたわ。端から見てもすぐ分かるとおり、彼女、最高の気分だったと思う。でも、あんなに飲んで大丈夫かしらと思っていたのも事実。

私はホテルの披露宴会場の大広間を出て、女性トイレを確かめに行った。でもヘレンはいない。2、3個所、ホールや廊下を覗いて確かめたけど、いない。一体、私は何をしているんだろうって思ってしまったわ。そして、ある廊下をさしかかった時。あの時、向こうからあの男がやってきたのだった。ボータイをしているけど、ジャケットは着ていない。ホテルのウエイターの一人。ヘレンを見なかったか訊いてみようと思ったけど、それもちょっと変かなと感じてやめた。

私は、どうしてなのか分からなかったけど、あのウエイターがやってきた廊下を歩いていった。するとその角を曲がったところに、ヘレンがいたの。どう見ても、ドレスを直して、着崩れを正しているよう。ふと、さっきのウエイターのことを思いだした。・・・彼も、服装を直していた。それに彼は体の大きな、筋肉質の男性・・・実際、とてもゴージャスな感じの肉体の男。雷に打たれたように私はあることに気がつき、そして、がっくりと打ちひしがれてしまったの。

「ヘレン! 一体、何をしていたの?」

大きな声では言わなかったけど、キツイ調子で訊いていた。ヘレンは私の怒りをちゃんと察したよう。

「あら、なんでも?」

わざと取り澄ましたように、何でもない風を装って笑っている。でも、興奮しているような顔だし、シャンパンの影響も見えてる。

「ヘレン! どうしてそんなことを・・・?」

「あら、そう固くならないでよ! 最高だったわ! こんなチャンス、そう何回もないんだから。自分の結婚式でこんな素敵なドレスを着て、披露宴から抜け出てイヤラシイことをする・・・。こんなチャンス、またとないのよ。しかも、まったく見ず知らずだけど、すごい肉体派の男と!」

「ヘレン!」

「ねえ、思い浮かべてよ? 自分の結婚式の日に、このドレスを着た私が、ドレスを腰までめくり上げているの。テーブルにつんのめるような格好で両手をついて、ウエイターの中でも一番カッコいい男にやってもらってるの。そして、すごく気持ちよくなっている私。よだれが出そうなほど淫らでイケナイことだと思わない?」

ヘレンの言ったイメージが、突然、心の中に飛び込んできた。この美しいヘレンと、あのウエイターの男。ウエディングドレスを着たまま悪いことをしている姿。

「ねえ、ほらほら・・・。あなたも人生を最大限に楽しみたいと思ったら、こういうチャンスを逃せないはずよ。こんな風な格好になってやるの・・・」 ヘレンは夢想しているような雰囲気になっている。

「ヘレン、もう会場に戻らなくちゃ・・・」

「あのね?」 ヘレンは夢想状態から急に素に戻って、低い声で私に話しかけてきた。

「やろうと思えばもっとできるわ! あなた、彼とやりたくない? 今度は、ウエイターと花嫁付き添い娘ね! 彼、別の女ならすぐに勃起するはず。賭けてもいいわ」

私はヘレンをじっと見つめたままだった。ヘレンはまた別のことを思いついたよう。

「いや、もっといいことがある! 花嫁が付き添い娘に舐めてもらうっていうのはどう?」

ショックで口をぱっくりと開けたけど、何も言葉が出せない。ヘレンがとんでもない悪魔のように見える。

「ねえ、ほら、いいでしょう? そんなに悪いことじゃないじゃない・・・後で私とあなたのいい思い出になるわ。ねえ考えてみてよ!」

ヘレンは私が何か言葉を言うのを待っていた。

「披露宴に戻るの!」 そう言おうとしたけど、言葉を出すことができなかった。

「ああもうーっ! せっかくの楽しみを台無しにするような人だったの? じゃあ、しっかり見ててね!」

ヘレンはようやくそう言った。イライラしているような口調。その時、ヘレンは私の前に立っていた。ふと気がつくと、ヘレンが挑発的にセクシーに見えるようにしているのが分かった。それも私に向かって! 顔の表情は、そう、何かに飢えているような顔。舌を出して唇を少し舐めて見せている。両手は両脇の腰のところに降ろしていたが、ゆっくりと体を動かしながら、ゆっくりと這い上がらせて、私に見せている! 私はただじっと、何も言えず見ていただけだった。ヘレンが私に近づいてきて、同時に唇を軽く開いてきた。私にキスをするつもりだ! 私も、無意識的に引き寄せられ、少し彼女に近づいてしまったと思う。

「いい子ね・・・」

ヘレンが優しく囁くのが聞こえた。その言葉を言うとき、ヘレンは唇をほとんど動かさなかったように見えた。まだゆっくりと私に近づいてくる。・・・とうとう数センチしか離れていない距離になった。

その時、廊下の向こう、私の背後で人の声が聞こえた。私は、はっと体を離した。それはヘレンも同じ。その後、私たちはすぐに一緒に廊下を歩き、披露宴の会場に戻った。そして、話はそれでおしまい。

ただ、続きがあって、その日の夜遅く、私がベッドに入りながらいろんなことを考えていたということ。両手が一人でに股間に向かい、どうしてもあそこをさすらないではいられなかった。それに、知らず知らずのうちに、心があの瞬間のことを思い浮かべているのだった。あの、ヘレンが私にどんどん近づいてきた瞬間のこと・・・。それを思い、さらに自分のあそこを擦り続けていた。あの時、何もなければ、私はヘレンとキスをしてしまったのだろうか? ヘレンがドレスの裾をめくりあげるところを思い描いていた。私は、廊下の角を曲がったところで、ヘレンの前にひざまずいている。ドレス姿のヘレン・・・夢のような美しさ。あのドレス、あのヘレンの肉体。花嫁が付き添い娘を見下ろしている。それを思い浮かべ、私は達していたのだった。


おわり