びっくりして口があんぐり。どうしてこんなことを! 大学から実家に帰ってみれば、こんなことに! どうしてママは気がつかないの?
ステイシーとジェフ。ステイシーがジェフにものを手渡すときの様子は見たことがある。ジェフからものをもらうときの仕草も。それにジェフからものを取るときの様子も。二人とも意味ありげな表情をして、言葉を交わさずにいたっけ。学校で見たことがある。二人は、こんなことしてたのね! 二人とも顔に書いてあるわよ、一目瞭然。
妹と弟の話。私は、二人をじろじろ見ないようにしなきゃと自分に教えなければならなかった。それにママ。何も気がついてないよう! どうして分からないのよ?
あの日の夜、自分が昔使っていた部屋に戻っていた。どうしても気持をあれから逸らすことができない。私に何かできることがあるかなあ? ふと見上げたら、部屋の中にステイシーが来ていた。私を見ている。あの訳知り顔の笑みはやめて欲しい。私は妹をただじっと見つめてた。
「どうして、あのことについて言わないの? お姉さんが考えていること、私が分からないとでも思ってるの?」
ステイシーからあのことを話題にするとは! 信じられない。でもいいわ、もう話題になってしまったんだから。「ステイシー、どうしてあんなことができるのよ?」
「お姉さんも、ジェフがすごい男だって分かるでしょう。ジェフなら、まるで子供を抱っこするようにお姉さんを扱えるわよ」
確かにその通り。ジェフは立派な体格になっていた。
「ジェフがその気になれば、お姉さん、まったく抵抗できないわよ。それとも、なあに? あの大学に通って、別の方法も覚えてきたとか?」
すごく邪悪そうな笑みを浮かべてる。妹は、ベッドに座っていた私のところに近寄ってきて、前に立ちはだかった。そんなことないわ。ステイシーの言う「別の方法」なんか知らない! 妹は、真上から私を見下ろしてた。まるで自分の胸元を見てるみたいにして。
妹は私より10センチは身長が高く、体もずっと大きい。ステイシーと並ぶと自分が子供になったような気がする。
「どうなの?」
妹は落ち着いた調子で訊いてきて、私の顎に手をかけた。体を傾かせて引き下がったけど、ステイシーから逃れるには足りない。何をしようとするの? やめて、なんだかとても恐い。でも、妹はただにやりと笑って、背中を見せ、部屋から出ていってしまった。
また部屋の中、たった一人になった。ああ、ステイシーにジェフ! それにステイシーのあの態度! すごくずうずうしいし、自信ありげなんだから。彼女、ジェフにいったい何をしたの?
目が醒めた。まだ夜だった。
「起きて」 囁く声が聞こえた。
ジェフだった! 私のベッドの脇にいる! ジェフはベッド脇にある小さな明りをつけていた。
「ステイシーが、お姉さんが僕のことが欲しがっているって言ってたから」
弟は、さっと私のかけ毛布を剥ぎ取った。ベッドの端に座って、体を傾けてくる。さらに私の両肩を抑えてくる。とても力が強い。やめて、すごく恐いわ。
でも弟は急に動きを止め、私をじっと見つめていた。
「ステイシーが嘘をついたんだね?」
突然、弟がとっても優しそうに見えた。
「心配しないで、お姉さん。僕はお姉さんをレイプしたいわけじゃないんだから」
弟は、慎重に掛け毛布を元通りに直し、私の額にキスをした。そして立ち上がって、部屋を出て行こうとする。
私の手。手が勝手に掛け毛布から出て、弟の手首を掴んでた。行かないように留めてる。弟は振り向いて、私を見下ろした。すごく真剣な顔。やめて、とっても恐いわ。
「心配しなくていいよ。本当にはしないから」
弟は腰を降ろして、また、掛け毛布を剥がしてた。手を私のナイトガウンの裾の中に忍び込ませてくる。私の脚に触れている。優しく手を上へと滑らせてくる。間もなく、私のナイトガウンの前のところはすっかり捲りあがってて、私のあそこに弟の手が来てた。指で私をいじっている。ゆっくりと、執拗に、何度も、しつこく。私は、呼吸が乱れてきてた。息をしながら胸が上下にうねってる。弟は、にっこりしながら私を見下ろしてた。私が知っているうちでも、一番、愛しい笑顔をしてる。
自分の体がいったい何をしているのか自分でも分からない。私、過剰なほど、体をくねらせていたのかしら? そんなこと気にしなかった。でも、叫び声まではだしてなかったはず。ジェフはやめなかった・・・ただいつまでも続けていた。私のそばに座りながら、私を見下ろして。
限界だった。達してた。何度も何度も繰り返し・・・。自分でも信じられない。弟は上手すぎる・・・。きっと妹が教え込んだのね。彼女、ジェフにいったい何をしたの?
弟はもう一度、私の額にキスをして、部屋を出て行ってしまった。私は横たわったまま、この出来事のことを反芻して夢見ていた。
次の日、弟は私を見て、にっこり笑っていたけど、でも、その日は大学に戻る日になっていた。次に私が実家に戻ったときには、弟にはガールフレンドができていた。私には手を出さず、「彼女だけにしてるんだ」と言ってた。それを聞いて、ジェフとステイシーのことについて安心した気持になったのは本当。でも、弟が私の部屋に来たあの夜のことはどうしても頭から離れなかった。
これは何年も前のこと。今、弟は結婚し、奥さんに忠実な夫になっている。完璧に忠実。私はというと、まだときどき弟を見つめてるときがあるし、弟の方もまだときどき、私に訊きもせず、ちょっとしたことを私にしてくれてる。それに、その私と弟の関係に弟の奥さんが気づいているのも、私には分かっている。ショックや恐怖心を包み隠そうとしている様子とか、分かるもの。彼女がどんな気持でいるのか、それは私もはっきりと分かるけど、それについて彼女に話し掛けることはできないでいる。どんなことを話しても、彼女の気分を害するだけだし。でも、彼女がジェフと一緒になってどれだけ幸せなことか、それだけでも分かってくれたらいいのに。と、そんなことを思っている私なの。