カウチに横になっているジョンを見た。私の夫。横になって、本を読んでいる。二人一緒に家にいる晩。何か変わったことが起きたらいいと思っていた。
読んでいた本を置いて、夫のことをもうちょっと見ていた。彼は気付いていない。ただ読み続けている。私は滑るように椅子から降りて、夫の足元に這っていった。夫はちらりと私を見て、微笑んだ。そしてまた読書に戻った。最後まで読み終えたがっているようだ。
何か違うことが起きたらいいと思った。
夫のジッパーに手を伸ばした。素早くチャックを降ろし、ジーンズの留め具を外した。何秒もかからずに彼のを手にしていた。夫が本を降ろすのを感じた。
でも夫を見上げたりはしなかった。彼のアレだけを見つめる。夫はこれが好きなのは分っている。
顔を寄せ、口を開いた。いいわ。口に入れると固くなってくる。夫はこれが好きなのは分っている。円を描くようにして舌で包み、吸った。それから唇で挟んで、舌を押し付け、顔を沈める。喉の奥に来るまで。それから顔を引いて、また沈めていく。依然として、視線は夫のアレだけに向けている。すごく固くなっている。そのまま続ける。動きは止めない。
夫が私を見ているのが感じられる。視界の隅に見える様子から、夫はまだ本を持ったままでいるのが分る。でも、本は見ていなくて、本の先、私を見ているのが分る。たとえ、私を見ていなくても、他のことに集中できなくなっているのは確か。顔を横にして、唇と舌で夫の肉の棒に沿って上下に舐めつづけた。喉の奥まで全部飲み込んでみようかと思った。そこまではできないとは分かっていたけど、してみたらどうだろうと少し想像していた。
さらに固くなっている。夫がそろそろ限界に来ているのが分かる。そのまま続けた。
夫にイッて欲しかった。その場で、夫にオルガスムに達して欲しいと思った。夫が望む、望まないにかかわらず、私の口に中に出して欲しいと思った。そのまま続けた。
感じる。脈動している。発作のようにビクンビクンしている。喉と口の中に体液が広がるのを感じた。それを飲み込んだ。夫のところは見なかった。見ているのは彼のペニスだけ。
柔らかくなっていっても、そのまま吸い続けた。舐めてきれいにして、すっかり後始末をした。まだ私は夫のところを見ていなかった。
吸い続けながらも顔を離し、口から抜いた。離れるとき、チュッと音が出るようにして、頭のところにキスをした。最後に顔を上げ、夫の顔を見た。できるだけ微笑んだ顔を見せないようにと堪えながら。夫は、まぶたを半開きにして私を見ていた。夫も微笑んでいなかった。
「床に横になって」
夫が言った。夫は動かなかった。とても真剣な表情をしている。2人で読書を始めてから、最初の言葉がこれだった。何が起こるのだろう。これまで夫にはこういうことは一度もしたことがなかった。私たちは、性的なことを始めるときにちょっとした儀式のようなものすることは普段はない。私はカーペットに横になり、仰向けになった。夫を見ながら、両膝を掲げた。
「横寝になって・・・顔は僕の方に」
夫は動かないままだった。私は言われた通りの姿勢になった。
「自分で触って、イってみせるんだ」
私は驚いていた。さっきは私が夫を驚かせたと思っていたが、今度は夫が、お返ししてきた。
考えを巡らせた。ここで止めようと思えば、止められる。この雰囲気を壊そうと思えば、壊せる。
この雰囲気を壊したいとは思わなかった。夫が要求したこと。私にもしようと思えばできると感じていた。私自身、たった今、夫に促されたわけでもないのに、彼にフェラをしたばかりだ。淫らな女になろうと思えば、なれる。ショートパンツのチャックを降ろして、手をお腹から、下着の中へと滑り込ませた。横寝のまま、両膝を自分に引き寄せ、胎児のような格好になった。夫から目を離さなかった。夫も私の目を見つめたまま。互いに見つめ合っていた。
濡れていた。言われた通り、指でいじった。夫の言うなりになって。それは気にしなかった。これはただのたわいないお遊びなんだから。2人とも見つめあったままだった。夫が欲しかった。私もイキたかった。でも、夫はすでにイッてしまっていたのだから、今は私の番。指でいじり続けた。
気持ちいい。すごくいい。指については、正直、夫よりも自分でした方がいい。こんなこと言いたくないのだけど、それは事実。呼吸が乱れてくるのを感じる。口でハアハア言っているのが分かる。夫は、一時も視線を外さず、私の顔を見つめていた。夫にそのように見つめられているのが良かった。夫は私の顔を見て、私が何を思っているか、何を感じているか知りたがっている。
すごく感じる。私は何者? 夫のペニスを舐めしゃぶり、その後、彼の前で淫らに自慰をしているなんて。夫のために、そして私自身のために、自慰をしている。
夫がカウチから滑り降りてきて、床の上、私の隣に座った。それから、私のお尻を抱えて、持ち上げ、私をうつ伏せの姿勢にさせた。両膝を立たせ、顔は床面に沿って横向き。夫が私の後に来て、ショートパンツと下着を引き降ろすのを感じた。
夫はまた固くなっていた。本当に固い。すでにカチコチになっていた。そして私も準備が出来ていた。指でいじるのはそのまま続けていた。後にいる夫の姿は見えなかったけど、夫の存在ははっきりと分かる。中に入ってこられ、すごく感じた。死にたくなるくらい、感じた。
ふと、瞬きした。1、2秒、頭を回転させ、ようやく、自分が人の顔を見たのだと気がついた。窓の向こうに! 私はカウチの向こうにある窓に面していたのだけど、窓の横、カーテンとの隙間から誰かが覗いているのを見たのだった。女性・・・しかも、隣に住むキャシーだった。頭の中が急速回転をする。キャシーは多分何かの用事で家に立ち寄り、窓から中を覗いたのだろう。キャシーはあわてるようにして家に戻って行った。誰にも気づかれていないと思っていると思う。
でも、突然、そんなことは全然、気にならなくなっていた。ああいう風に覗き見する人はいずれふさわしい目に会う。夫のアレが私の中に入ったり出たりを繰り返す快感に、覗かれて恥ずかしいという気持ちが吹っ飛んでいたのは確か。イキたいと思った。夫に合わせて、しゃにむに指で自分のあそこを擦り続けた。夫も続けてくれた。
多分、夫は、一度、射精を済ませていたので長続きできたのだろうと思う。まだとても固いままで、動き続けてくれていた。
時間がすごく長く感じた。夫のスピードが増してくるのを感じる。ゆっくりしてくれるのも好きだけど、こういう風に激しく動きたいという夫の気持ちも分かるし、私もイキたかった。とても長時間のセックスになっていて、私はほとんど気が狂いそうになっていた。もっともっと速く動いて欲しいと思った。夫の動きがとても嬉しく、気持ちよくって、もっともっと欲しくなっていた。クライマックスに達したい・・・。
翌日、キャシーがやってきた。
「昨日はずいぶんお楽しみだったわね」
私は、気分よく彼女と面と向かって会えるか自信がなかったのだけど、キャシーの方からやってきたので仕方なかった。それに彼女は、この話題を放っておくつもりはないようだった。
この話題では話したくなかったので、無理に、何気ないことのように振舞う他なかった。
「まあね。あなたの方もショーを楽しんでいたんじゃない?」
この言葉、自分の口から出たとたん、自分で言った言葉だとは信じられない気持ちになった。
キャシーは私を見ていた。私がうろたえていることを見据えているようだった。にっこりと微笑み、私の反応にちょっと喜んでいるように見えた。でもその笑みは悪意のあるものではなく、私も彼女と一緒に自分のことを笑い飛ばしたい衝動を感じた。キャシーが訊いてきた。
「あなたがすべきことは、分かってるわよね?」 キャシーはちょっと常軌を逸しているように見えた。
「どういうこと?」
「フェアにしましょうと言うこと」 彼女はまだ笑ったままだった。「あなたは、私とティムのところを覗き見しなきゃだめよ」
私はキャシーを見つめたままだった。
キャシーの家の窓から覗き込んでいた。こんなことをしているのが自分でも信じられない。その晩、彼女の家のキッチンの窓から覗き込んでいたのだった。どうしてもキャシーを止めることができなかった。彼女は、私から、覗き見するという約束を引き出し、何時に私が覗き込むかの時間をさっさと決めてしまったのだった。今、キャシーとティムが居間に座って一緒にテレビを見ているのが見える。キャシーが立ち上がった。ティムの前に行き、それから、彼が座る安楽椅子の中へと入って行った。脚でティムを挟むように、椅子の腕のところから、左右の脚を出している。そのまま体を沈めていって、ティムの膝の上にしゃがみこむような姿勢になっていた。両手で椅子の背もたれを掴んで、体を安定させている。キャシーの脚はとても長く、ほっそりとして、しなやかそう。
ティムはキャシーを見上げていた。キャシーは彼に覆いかぶさるように顔を下げ、唇にキスをした。私は立ち去りたいと思った。でも、キャシーは、私に、ずっと見ているように約束させていたのだ。いや、私も見ていたいと思ったのだ。そう。私は虜になったように2人をじっと見つめていた。
キスをする2人。心のこもった甘いキスだった。夫のことが頭に浮かんだ。多分、私もあんな風なことをできるだろう。
突然、ティムが立ち上がった。ちょっと、右腕の脇にキャシーの体を抱きかかえるような格好で。ティムが力があるのは確かだ。そのまま、キャシーのショーツを降ろし、トップも引き脱がし、彼女をすっかり裸にしてしまった。しかも、キャシーを抱いたまま、私が覗き込んでいる窓のところまで歩いてくる! 私は身をかがめた。
あれの時の声が聞こえる。それに荒い息遣いも。窓は開いていた。2人と私の間には、日よけのスクリーンが一枚だけだった。ちょっとだけ頭を上げた。キャシーがこちらの方を向いているのが見えた。窓の前にテーブルがあって、キャシーはそのテーブルに覆いかぶさっているのだった。もうちょっとだけ頭を上げ、ティムの頭のてっぺんのところが見えた。ティムはキャシーの後に立っているのだ。キャシーは苦しそうな息遣いをしていた。十分に呼吸ができていないようだった。彼女の目を見たけど、焦点が合っていない。リズミカルに押し出るような動きをしていた。私のいる窓に向かって、キャシーの顔、そして体全体が、ぐいぐいと押し進んでくるように見える。何度も何度も繰り返し、私に向かってくるような動きだった。息遣いはさらに激しくなっていた。キャシーの顔と、それを見ている私との距離は20センチも離れていないほどになっていた。突然、彼女の目が私に焦点を合わせたのに気がついた。まるで、その時までずっと私の存在に気づかずにいて、突然、気づいたような感じだった。キャシーは私に向かってキスをする真似をして、にやりと笑った。その間も、ずっと彼女の体は、ずんずんと前に押し出てくるように動き続けていた。キャシーは、もう一度、キスをする真似をし、その後、彼女の目は再び焦点を失っていった。私の目の前にいるにもかかわらず。本当に荒い息遣いをしている。
私は手をショーツの中に忍び込ませ、前のところを触っていた。キャシーは、まだ、体を動かしながら、今は、息をするたびに、悩ましい声を上げていた。
私は、窓の横に移動し、ティムの視界に入らないように注意しながら、少し体を起こした。キャシーの体を、ティムの腰の側面が見えた。見えた限りでは、ティムも裸になっているようだった。両手でキャシーの腰を押え、彼女に打ち込みを続けている。彼が打ち込むたびに、キャシーは体を前に押し出されていた。キャシーの裸の背中が反るのが見える。彼女は、泣くような声になっていて、その声もどんどん大きくなっていた。下着の中の私の指も、動きが止まらなくなっていた。キャシーの叫び声。そして、私もイッていた。