僕たちはあんなことをすべきでなかったのだ。まあ、多分、あれをしても何も害がなかったとは思う。少なくとも、何の害もないはずだった。それに、僕たちは前にもああいうことをしていたと思うし・・・僕たちが今よりずっと子供だったときではあるが。
僕は・・・いや僕たちはズボンを降ろしていたのである。いや、アレは皆が思うような行為とは違う・・・ただ僕たちは互いがどんな形をしているか見て確めたかっただけだと思う。さっきも言ったように、僕とダンは、子供の頃、同じことをしたことがあったのだから。ただ見て、確めるだけ。
二人ともほとんど何も言わなかった。少しでも話しをしたら、雰囲気と言うかそのようなものが台無しになってしまっていただろう。僕はズボンと下着を降ろしていたし、ダンも同じだった。場所はダンのお父さんの納屋の裏で、その裏は森になっていたし、あたりには誰もいなかった。僕はダンのを見た。僕は他の男の子のをまじまじと見たことがなかったので、実際、他の人がどんなのを持っているのか好奇心があったのは事実だ。ロッカールームで他の人のをじろじろと見るなんて、誰でも、とてもできないと思うだろうし。前に言ったように、子供の頃には僕たちは見せ合ったことはあったが、今は、僕のもダンのも、はっきり言って、大きく成長していたわけで、互いに見せ合うなんてことをできるのは、ずっと前から一緒に遊んできたダンと以外には考えられなかった。
僕は触ってみるなんて考えてもいなかった。ただ見てみたいとそれだけだった。ダンも僕のを、触らずにじっと見ていた。辺りは静寂そのもので、もちろん誰もいなかった。
「おっと、服を着たほうが良さそうだ」
ダンが言った。静かな声だったが、ちょっと心配しているような感じの声だった。顔を上げてダンを見ると、ダンは僕の肩の先、森の中を見ていた。かなり恐れている顔をしていた。ダンはズボンを引き上げていた。
「デボラだ!」 ダンの声にならない声。
僕もパニックになってズボンを引き上げ、ダンと二人で彼の家に向かって駆け出した。
「デボラ、僕たちのこと見たかな?」
ダンは、僕の質問を聞いたはずだが、何も答えなかった。
よりによって、どうしてデボラが! あんなことをしているところを見られたかもしれないなんて。デボラは僕たちより1歳年上の2年生だ。だが、僕は、もう何年も前から彼女のことを憧れ続けてきていたのだった。まあ、多分、彼女は僕のことに気づいただろうと思う。ああ、何てことだ! このまま縮こまって、別の次元の世界へ姿を消してしまいたい。
ダンと二人で裏戸を閉め、息を切らしながら互いに顔を見合わせた。
「彼女、誰れにも言わないと思う」
ダンはそう言ったが、僕は返事ができなかった。あんなことをしてた僕たちを彼女に見られたショックで、僕はまだ腹の辺りがわなわな震えていたから。
僕は家に帰ろうと思った。デボラに、ダンの家を出るところを見られるかな? いつになったら安全にダンの家を出られるのか、全然分からないことに気がついた。彼女、僕たちのことをどう思うだろうか? ただの、男の子二人連れ? 僕はデボラに「男の子」と思われるのは嫌だった。でも、もし、デボラが僕のことをただの「男の子」ではない、別の存在だと思っていたら・・・
「誰にも言わないはずだよ」
ダンが繰り返した。僕はダンが言う通りだろうと感じていた。でも、別の可能性のことを思うと、それだけで恐ろしさにぞっとする思いだったのも事実だった。その時、玄関のベルが鳴った。
デボラだった。玄関を開け、僕もダンも、呆然と彼女を見つめていた。
「こんにちは、お二人さん」
デボラは招かれていないのに、家の中に入ってきた。
「やあ」
ダンが答えた。気落ちした声だった。僕も何か呟いていたと思う。でも、すっかり神経麻痺になっていて、他のことは何もできなかったようなものだ。ずかずか入っていく彼女の後に続いて、僕とダンはリビングへ入った。
「家の人、出かけているのね」
デボラがダンに話し掛けた。質問ではなく、断定的な言い方だった。僕たちは何も言わなかった。
「・・・あなたたちのこと、見たわ・・・」
僕は、デボラが文の途中で区切りを入れただけと思っていたが、結局、彼女はそれだけで文を言い終えたのだと知る。彼女はにっこりと微笑んだ。
僕はデボラのあの笑顔が好きだ。僕は、彼女が友達にあの笑顔を見せているところを何度か見たことがあった。わずかではあったが、僕にもあの笑顔を見せてくれたことがあって、その時のことを思い出していた。僕は、ベッドで横になりながら彼女のことを思うことがよくあった。デボラと僕の二人だけでいることを思い浮かべるのである。二人だけでどこかへ出かけているようなことを想像するのだ。
「恥ずかしがらないで。私は全然構わないから」 ようやくデボラが言葉をつなげた。
ダンがちょっとくすくす笑った。
「ああ、その通りだよ」 明らかに安心してるように聞こえる口調だった。
「私は気にしないの。私は、偏見なんか持ち合わせていないもの」
僕は、デボラが何を言おうとしているのか理解しようと、彼女の顔を見た。ダンも意味が分からない様子だった。
「だた、私、ちょっと興味があるのよね・・・どういう風にヤルのかなあ、って」
「ヤル?」 ダンが聞き返した。まだ意味が分かっていないようだった。
「そう。アレをするときのこと。分かるでしょう?」
「何をするって言うんだ」 僕が口を挟んだ。
「分かってるはずよ!」 デボラはまたあの笑顔を見せた。「あなたたちがナニをするか」
「デボラ、君は僕たちのことをホモだと思っているのか?」
突然、ダンが大きな声をあげた。僕は、またパニック状態になっていた。デボラは、僕たちを・・・僕のことをホモだと思っている!
「うふふ・・・ねえ、ちゃんと聞いてね。私はあなたたちをしっかり見たの・・・それに、私はそれを全然気にしないって言ったはずよ!」
「僕たちはただ・・・・」 ダンが答え始めたが、彼は突然、しゃべる力を失ってしまったように見えた。「・・・ただ・・・見ていただけだよ」 ダンはようやく最後まで呟いたが、弱々しい声だった。
「私は、全然気にしないって言ったのよ。ねえ、ちゃんと言ってよ。本当に興味があるんだから」
「でも、僕たちは違うんだよ!」
「いいこと?」 デボラはそこまで言って、ちょっと間を置いた。「私は誰にも言わないわ。でも、あなたたちのことをちゃんと見たのよ」
「だけど・・・」
「確かに、誰も自分がホモだなんて認めたがらないのは分かってるわ。でも、私は、裏庭にいたあなたたちをしっかり見たの。だから、私には、事実を認めてくれたっていいじゃない?」
「でも、僕たちは違うんだ!」 僕は何とか声を出した。
デボラは少しうんざりしたような表情を見せた。「・・・いいわ、分かった。あなたたち認めないわけね!」
彼女がまだ僕たちのことを信じていないのを見て、僕はもう一度、反論しようとした。
「だが、僕たちは・・・」
「みんなに言いふらして欲しいってこと?」
僕はデボラを見つめた。ダンも同じだった。デボラは苛立っているように見えた。僕は、弱気になりながらも、もう一度、声を出した。
「でも、僕たちは違うんだよ!」
「私は見たことをみんなに話すことにするわ」
「でも・・・」
「絶対、そうする!」
「デボラ、頼むよ・・・・」 僕はもう一度、試みた。
「ちょっと黙ってなさい!」 突然、デボラは大きな声をあげた。しばし、沈黙が訪れる。「同じことを何度も言わないの!」
僕もダンも、どうして良いのかまるで分からず、ただじっと座っているだけだった。それを見てか、デボラがまた声を出した。
「私はただ興味があるだけなの。それだけ。あなたたちがそれを認めることができないのは分かってるわ。私が知りたいのは、どういう風にするのか、ただそれだけ」
「デボラ・・・」
「分かった。認めないわけね! そう・・・」 デボラはそこで間を置いた。「じゃあ、もう一度やってよ・・・さっきしてたことをやって見せてよ」
「デボラ!」
「じゃあ、帰るわ! そしてみんなに話すわ!」
僕はダンの顔を見た。ダンも僕を見ていた。デボラはどうしてこんなことを思いついたんだろう?
「学校のみんなに話すからね。・・・私が見たこと、それしか言わないわ・・・」
僕はもう一度ダンを見た。ダンはひどくおどおどしている様子だった。
「もう一度、ズボンを降ろせばいいのよ」
僕はベルトのバックルに手をかけた。ダンも同じことをした。すぐに僕もダンもバックルを外し始めていた。ボタンも外し、チャックも降ろしていた。そして、二人ともズボンを降ろしたのだった。
「下着もでしょ?!」
僕もダンも、デボラの前に立っていた。デボラはまず僕のペニスに目を向け、そしてダンのに視線を移した。それから顔を上げて僕たちの顔を見た。
「どうしても見ておきたかったの」
「何だって?」
突然、デボラは部屋から駆け出した。
「そのままでいるのよ!」
駆け出しながら、そう言う。僕はダンの顔を見て、彼も僕を見た。僕たちがいる状況を誰が信じられたことだろう。デボラはチューブを手にして戻ってきた。
「どういう風にするのか、見てみたいの」 またさっきと同じことを言う。
「デボラ・・・」 僕はもう一度、懇願する声を出した。
「みんなに言うわよ!」 デボラはそう答えて、もう一度、僕のペニスを見た。
「服を全部脱いで」 明らかに僕だけに向けて、彼女はそう言った。
僕に一体、何ができただろう? 僕は言われた通りにした。すっかり裸になっていた。デボラは僕の周りを歩き回って、僕の体をじろじろ見るだけだった。調べているような感じだった。デボラは僕の後ろに来ると、僕のお尻に手をあて、軽く上下に擦った。デボラが僕のお尻を触っている! 僕の前に戻ってくると、また例の微笑を見せた。
「床に四つんばいになって」
僕は動かなかった。
「みんなに言うわ」
僕は床にしゃがんだ。
「お腹は、この上に」 ソファのシートを指差している。
「デボラ!」
「言うわよ!」
僕はソファに腹を当てた。今度はダンに向かって言う。
「彼の後ろに回って・・・それから、おちんちんにこれをいくらか塗りなさい・・・しなさいよ! みんなに言うわよ!」
ダンが僕の後ろに来た。
「硬くさせなさい!」
僕は信じられなかった。
「それでいいでしょう。じゃあ、やって! どうしても見たいんだから!」
何も起きなかった。
「そう。・・・じゃあもう帰るわね。そしてみんなに話すわ」
ダンが僕の腰に手を触れた。そして、次には腰を押えるような感じになった。僕はお尻を出したまま、ひざまずく形だった。どうして僕はこんな体位になってられるんだ?デボラがすぐそこにいるのに! ダンのペニスが僕のお尻に当てられるのを感じた。
「押し込むのよ!」
「私に見せるの・・・どうしても見たいんだから! さもなきゃ、みんなに言うわよ・・・」
こんなことができるなんて僕自身思っていなかった。絶対、やめさせるべきだったのだ。だが、どうしてよいか分からない。ダンが押してきた。そして僕自身、彼を中に入れさせるよう、できる限りのことをしなくてはならなかった! 他に選択肢がなかったのだから!
「うわっ! すごい!」
デボラの声が聞こえた。声の様子から彼女が微笑んでいるのか聞き取れる。デボラは僕たちを見て笑っているのか? いや、そんな風ではなかった。だが、僕は依然として、その場で死んでしまいたいと思っていた。
ダンのが滑り込んでくるのを感じた。ダンはさらに押してくる。ダンの下腹部が僕のお尻に当たるのを感じた。すべて中に入ってしまったのだと分かる。
「出したり入れたりして?」
デボラがダンに言っている。ダンは何も言わなかった。
「するのよ!」
デボラはじれたのか、少ししてから、もう一度言った。ダンが抜きに掛かるのを感じた。そしてまた突き入れてくる。その動きがだんだん速くなっていた。さらにもっと速く。ダンは無言のまま、出し入れを続けた。
そして、僕はあれを感じた。ダンが僕の中に射出するところだ。ダンが息を切らしているのを聞いた。ダンはそれまで激しく荒い息遣いをしていた。僕はダンを見なかった。見ることができなかった。それにデボラも見ることができなかった。
「うわあ、すごい!」 デボラはまた同じことを言っていた。
ダンは、疲れ切ったのか、少しの間、僕の中に入れたまま僕の後ろに膝をついて座っていた。その後、僕の中から抜け出た。キスをするような音が聞こえた。その後、突然、僕はデボラに頭を抱えられ、頬にキスをされた。
「ありがとう」 静かな声で僕にそう言った。そして彼女が帰っていく音が聞こえた。
その後、ダンも部屋を出て行き、ダンの家のリビングの中、僕一人が残されていた。僕はすぐに服を着て、彼の家を出た。
***
「ねえ、ちょっと。話したいことがあるの」
デボラだった。次の日、学校の廊下で僕をつかまえて話しかけてきたのだ。彼女は、家の近所にいるときは別として、例えば、学校とかでは僕にあまり話し掛けたりしないのが普通だった。デボラは僕を引っ張るようにして、廊下のところでも、他の生徒があまりいないところに連れて行った。
「ねえ、聞いてよ。もう一度、お礼を言いたいの」
あの笑みを見せながら僕に言う。僕はあの微笑が大好きだ。
「デボラ、僕たちはゲイじゃないんだよ」
「分かってるわよ。認めることができないのは分かってるわ。ただ、もう一度、お礼が言いたいだけ。どういう風にするか、ずっと気になっていたことだったの」
「デボラ!」
僕は息を荒げて反論しようとした。でも、彼女は歩き去ってしまった。
翌日、ランチ時、デボラが僕と一緒に座ってランチを食べた! 僕はひとりで座っていたのだが、彼女はつかつかと僕のところにやってきて、真向かいの席に座ったのだ! また、あの笑みを見せて僕を見ていた。僕たちだけの秘密を共有していることをほのめかす笑み。
「面白かったわ。私が見たこと、そんなに気にしてないわよね?そうでしょう?」
「デボラ、僕はゲイじゃないんだって!」 小さな声で訴えた。
「そんなこと、私は無視するから大丈夫。でも、あなたたち何回くらいやってるの?」
「してないって!」
「ねえ、お願い。教えてよ。誰にも言わないから」
「でも、してないのは本当なんだよ!」
デボラはそれ以上何も言わなかった。ランチを食べている間、ちょっとだけ僕に微笑みかけていたのは事実だが、それ以外は、ただ同じところに座って食べていただけだった。同じテーブルには他には誰もいなかった。僕には、そもそも、一緒にランチを食べるようなグループがなかったし、デボラの方も、いつもの彼女の友達はカフェテリアの中、反対側のところにいた。
翌日のランチ時、デボラは再び僕のところに来た。
「ねえ、もう一度見てみたいの」
「デボラ! 僕たちはゲイじゃないんだ!」
「ゲイの人は否定することが多いって、何かで読んだわ」
「でも僕たちは違うんだ!」
「もう一度見てみたいわ」
「デボラ・・・」
「みんなに言うわね」
僕はデボラを見つめた。
「あなたたち二人が何をしたか、みんなに言うことにする」
その日の午後、僕とダンはデボラの家に来ていた。ダンとは、あの日以来、何となく互いに避けあうようにしていた。この日も、デボラは僕たちをおだてたり、脅かしたりして、僕たちが服を脱ぐところを見た。それから、僕はデボラの家のソファに覆い被さって、ひざまずき、ダンは再び僕にした。
だが、それですべてが終わったわけではなかった。1週間後、デボラは再び僕たちにして見せるように要求してきたのだった。さらに、その後も。その度に、僕とダンはデボラの家に行き、彼女は僕たちに素裸になるようにさせた。そして、彼女はチューブ入りのKYゼリーを僕たちに渡す。ダンはそれをペニスに塗り、僕はお尻の穴にいくらか塗りつける。そして、ダンは僕にアレをするのだった。
そしてランチ時になると、デボラはよく僕に尋ねたのだった。
「アレ、どんな感じなの?」
僕はそんな質問にどう答えてよいか分からなかった。
こんな皮肉なことはない。僕は、デボラと毎日、一緒にランチを食べるなんて夢とばかり思っていたのだ。だが、今、僕はまさにその夢を実現している。実際、彼女とランチを取ること自体は楽しんでいる。だが、実に奇妙なのも事実だ。彼女は毎日、僕がまるでゲイであるかのように話しかけてきて、どんな感じなのか、どうしてアレをするのが好きなのかとかと、しつこく訊いてくるのだから。僕がゲイなんかではないと言うといつも決まって彼女は、僕の言うことに耳を塞ぐのだ。それに、ダンとするところを見たいというデボラの要求を拒もうとすると、毎回、彼女は僕を脅かしてくるのだ。
アレをするのがどんな感じなのか、デボラは本当に興味があったのだろう。だが、僕に言えることはあまりなかったのも事実だ。僕は本当にやりたくはないのだ。身体的な感覚を述べるのだったら、使える言葉はそれこそ山ほどあるだろう。それを聞かされてもしょうがないと思うのだが、それでもデボラは僕に尋ね続けていた。
そして、ある日のことだった。デボラがこう言ったのだった。
「私、アレがどんな感じがするか分かったわ」
僕は彼女を見た。デボラは、アレをするのがどんな感じがすると思っているのか、話し始めようとしているようだった。
「ダンと私で、私が男の子になったフリをしてみたの」
「何をしたって?!」 僕は息を飲んだ。
「あなたがすることをしてみたのよ」
デボラは満面にあの笑みを浮かべた。
「ダンに、私が男の子になったと思ってみて、と言ったの。うまくいったわ。彼、してくれたのよ!」
そう言った後、デボラはしばらく沈黙した。
「・・・ごめんなさい。やきもち、感じてる?」
「全然!!」
デボラがダンとセックスをした! 僕は気が狂うほど嫉妬した。
「ごめんなさい・・・ねえ、きょうの午後、もう一度、あなたたちがするところ見たいんだけど」
僕は心がかき乱された思いだった。彼女はダンにお尻をやらせた! 信じられない。
その日の午後、僕がダンにアレをされている間、デボラは僕と並んで隣にひざまずいていた。
「ものすごくいっぱいにされてる感じよね? そうでしょ?」
僕は、堪えながら、そうだと言った。デボラは僕のお腹の下に手を伸ばし、軽くペニスに触れ、そして、すぐに手を引っ込めた。それから僕の耳元に囁きかけてきた。
「すごくいっぱい、いっぱいよね・・・」
その間もダンは僕に打ち込み続け、やがて彼は達した。
それがあってからすぐ後に、デボラは、もう一度ダンにさせたと僕に伝えた。そして、やがて、デボラは、ダンと僕がするのを見るために僕を彼女の家に来させるのと同じくらい頻繁に、ダンと行った行為について僕に報告するようになった。
僕はデボラに恋をしていた。多分、以前は一方的なベタ惚れ状態だったのだろう。本当にバカだったのだと思う。こんな奇妙な関係になってしまっていたのに、どうして僕はあんなに彼女に夢中だったのだろうか?
だが、彼女に夢中だったのと同じくらい、僕は激しいフラストレーションも感じていた。一度、僕はデボラをデートに誘った。僕がゲイではないと言うといつでもデボラはいつも通りにあしらうのだった。彼女の言葉を借りれば、僕が事実を 「否定している」 かのように見なした態度で口をきくのである。
もう僕には限界だった。僕は毎日デボラと一緒にランチを食べているので、学校の他の女の子たちは、僕のことを、すでにガールフレンドが決まった男としてしか見てくれなかった。ダンとは、すでに、デボラの家に行く時以外は、互いに避けあうようになっていた。
僕は、とうとう、他の高校に通う女の子を見つけ、彼女をデートに誘った。キャシーという。まだ免許証は持っていなかったので、僕の両親に映画館まで送ってもらい、映画が終わったあと、また車で迎えに来てもらうという形のデートをした。キャシーは優しい女の子で、その夜、僕は彼女のことを思いながらベッドについた。キャシーなら僕の救いの女神になれそうだ。僕はキャシーならデボラの代わりに好きになれると思った。
僕たちはもう一度デートをした。今度も映画だった。映画館の中で、キャシーが僕に言った。
「ある女の子にあなたのことを聞かされたわ」
「誰?」
「あなたの近所に住んでるあの子。デボラ。あなたと別の男の子のことについて」
「彼女、何ていったんだ!?」
「落ち着いて聞いて。いいのよ。認めたくない気持ちは分かるわ。私とデートしたりして、あなたが取り繕うとしているのは私にも分かるもの。私は気にしないわ・・・あまりね」
その時以来、キャシーは僕とデートをしなくなった。その学年の間も、そして次の学年の1年間も、同じようなことが続いた。
デボラは高校卒業後も故郷に留まり、地元の大学に進んだ。大学に進んでも、彼女は週に1回くらいの頻度で僕とダンを家に来させ続けた。それによく僕に電話をかけてきて、ダンとしたことについて話すのだった。彼女のよく使う言葉は 「私が男の子のフリをして」 であった。
あるとき、彼女はこんなことを訊いてきた。
「ちょっと訊きたいんだけど、ああいう男の人って相手にすごく荒々しくやるのが好きだって読んだんだけど、ダンも荒々しくやるのが好きなのかしら?」
「デボラ!」 僕は怒りを感じて叫んだ。
「あなたも荒々しい方が好きなの?」
次の日の夜、デボラは再び僕に電話をしてきた。
「彼に激しくするように仕向けてみたわ。彼、その方がいいみたい。多分、荒々しくした方が、私が男の子だって想像しやすくなるんだと思う」
そして、僕たちがまた彼女の家に行ったときだった。デボラは、ダンに、遠慮なんかしないで、もっと荒々しくするところを見せるべきだとしつこく言い張った。ダンは僕を床にねじ伏せ、お尻を高々と掲げさせた。そして、僕の腰をがっちり押さえ、一気に突っ込んできたのだった。僕は何が起きたのか、信じられない気持ちだった。その日から、デボラはいつもダンを励まして、僕をより荒々しく犯すように仕向けるようになった。そして、ダンの方も、服を着たままの僕を強引にねじ伏せ、まるで服を破るようにして剥ぎ取るようになった。それから、時には僕を壁に押し付けるようにして打ちこんできたり、僕を無理強いしてあれこれさせるようになった。彼のその行動から、僕は否応なくダンが非常に強いのを認識させられたのだった。それに、デボラは、電話でも、彼女と一緒のときのダンが、本当にケダモノのようになると話すようになった。
やがて、僕もダンも高校を卒業した。その夏のある日、デボラが僕の家にやってきて、左手を差し出して見せた。指には結婚指輪が嵌められていた。
デボラは嬉しそうにはしゃいでいた。
「とうとうやったわ! 私たち結婚したの!」
誰と? ダンとか? 僕の知る限り、彼女はダン以外の男とは会っていない。僕は何かに胸を強打されたような感じがした。ただただ何も理解できなかった。まったく何も。ふと気づくと、デボラは何か心配そうな顔をしているのだった。
「ああ、でも、これで何かが変わるわけじゃないのよ。あなたたち二人がこれからもアレを続けても、私、構わないと思っているんだから」
「どうして彼と結婚したんだ?」
「そうねえ・・・その方がうまく行くと思ったから。彼に私のことを男の子と思うフリをしてもらうこと」
「でも・・・・」 本当に、それが理由なのか? それで「うまく行く」って、本当なのか?
「ねえ聞いて。あなたに秘密にしていたことがあるの。私ね、結婚するとしたらあなたとしたいって思っていたのよ。なんとなく・・・でも、ダンの方が上手にできそうだったの。私を男の子と思うフリのこと」
デボラは僕の頬にキスをし、すぐに体を離し、そして帰って行ってしまった。あああ!!!!
デボラたちの結婚後もすべて元通りだった。デボラは僕を家に招き、ダンが僕のお尻にするのを見て、電話などで僕にダンとのセックスのことについて事細かに述べ立てる。デボラの言うことの中には、信じられないものもあった。ダンにアナルをされながら、髪の毛を乱暴に鷲づかみしてもらうとか、両手を縛ってやってもらうとか、両手両脚を拘束し、ベッドの上、うつ伏せにならせて荒々しくお尻を犯させるとか。
デボラは、僕にもダンとするとき同じ風にしてもらうよう言い張った。僕には選択の余地がなかった。
どうにかしなければならなかった。この状況から逃れるためにはどんなことでもする。僕は別の土地に引っ越すことに決めた。デボラには言わなかった。ひそかに計画し、手配を行った。今までのような生活から抜け出なくては自分がダメになると感じていた。
そして実行した。デボラにもダンにも、僕がどこへ行くかなどについて一言も告げなかった。僕は新しい町で仕事を得たし、地元のカレッジの学科目にいくつか受講登録した。そして、デートも行ったのである。相手はレイチェルという女の子だった。
レイチェルは僕にとって救世主のように感じられた。デボラのことを忘れさせてくれる存在である。僕はようやく本来の僕に戻ることができたのだ。僕は、それまで一種、童貞と言える状態でいたわけだが、レイチェルと付き合い始めてからはいつまでもその状態のままだったわけではない。間もなく、僕たちは大半の時間を一緒に過ごすようになったし、婚約もした。毎晩、レイチェルと一緒にベッドを共にし、互いに気が向いたときに愛し合い、甘美な日々を過ごした。これこそ僕が心から求めていた生活だった。
僕たちは次第に互いに対して安心感を抱き、自信を持つようになっていった。もっとも、デボラやダンのことについては当然、一言も話さなかった。二人とも少しずつ、大胆なことをするようになっていった。例えば、アダルトビデオを借りてきて、ベッドで一緒に見るとか。一度は、少しばかり周到な計画を建てた上で、真昼に公園でセックスをしたこともあった。レイチェルも、もっと打ち解けてくれるようになってきて、ベッドでして欲しいことを僕に要求してくれるようになってきていたし、それは僕も同じだった。僕は、ようやく人生が本来の道筋に乗ってきたと感じた。
ある夜、愛し合った後だった。レイチェルは僕の方を向いて横寝になりながら、僕のペニスをいじっていた。そして僕の耳に囁きかけたのだった。
「私、あなたが望んでることをしたわ」
僕はレイチェルが何のことを言ってるのか分からなかったので、そのままくつろいでレイチェルが僕にしてくれていることを楽しんでいた。
「あなたが望んでいることをしたの」
「どういうこと?」
レイチェルはくすくす笑った。
「私、あなたの昔のガールフレンドに会ったの。彼女、あなたがどんなことを望んでいるか教えてくれたわ」
「え?!」 何を言ったんだ?
「あなたが彼女と別れた理由。彼女がしなかったから、別れたんでしょう。知ってるはず」
僕は、レイチェルの言ってることがよく飲み込めずにいた。
「君は何をしたんだ?」 僕はわざと訊いた。
「他の男性にアヌスをさせたわ」
僕は唖然として横たわったまま動けずにいた。
「彼女、教えてくれたわ。どうしてあなたが彼女と一緒にいられなくなってしまったかと言うと、それは、あなたが彼女に他の人とデートに行ってアレをして欲しいと切に求めたのに、彼女はどうしてもそのあなたの求めに応じることができなかったから。そうなんでしょう?」
「彼女は誰なんだ?」
「あなたの昔のガールフレンドじゃない! 2週間くらい前に彼女に出会ったの。彼女、あなたがこっちに引っ越してくる前のあなたのことについて全部、話してくれたわ。彼女、ほんとにいい人ね。彼女、わざわざご主人に頼んでくれて、私にアレをしてくれたのよ・・・」
レイチェルはダンにお尻をやらせてしまった!
「彼女、とても親切だったわ。私にちゃんと忠告してくれたんだもの。あなたは、あなたが抱えている本当の欲望をずっと封じ込めてしまっていたんだってね? だから、あなたが、とうとう、その望みを持っていることを彼女に告白した後、彼女もその考えに慣れようと努めて、実行しようとしたんだけど、そうする前に、あなたは、結局、彼女の元から離れてしまったと・・・」
レイチェルはダンにお尻をやらせてしまった!
「私、あなたのためなら、どんなことでもするわ。あなたが望むこと、何でもする。それだけはおぼえていて欲しいの」
僕はレイチェルにアナルセックスなど、その類のことは一度もしていないのに!
翌日、僕は終日、呆然としていた。デボラに電話をかけたが、誰も出なかった。その夜のことだった。レイチェルが何か恐れているような表情をしていた。
「今日・・・彼女、あなたとダンの関係について話してくれたわ」
デボラはまだこの町にいたのか! デボラがレイチェルにどんなことを言ったか、僕には手に取るように分かる気がした。
「彼女は、今、どこにいるんだ?」 僕は気落ちしながら尋ねた。
「二人は今、こっちに向かってるところ」
僕は、がっくりと椅子にへたり込んだ。打ちひしがれた気持ちだった。呆然自失の状態だった。デボラとダンが到着し、レイチェルが家の中に迎え入れた。僕は挨拶をしたと思うが、何か、どこか遠くから彼ら3人のシーンを眺めているような感覚だった。
デボラが場を仕切り、皆に命令していた。レイチェルが裸になった。ダンがレイチェルにするのを見た。ダンはレイチェルを乱暴に後ろ向きにさせ、リビングの椅子の背もたれに体を預けさせ、激しくアナルを犯した。レイチェルはこの場に意識がないように見えた。彼女自身、呆然としているようだった。
デボラが僕に裸になるよう命令した。僕は、レイチェルと同じ椅子の背もたれに体を預け、辛抱強くダンが来るのを待った。デボラとレイチェルは、ダンが僕にするところをじっと見つめていた。見ながらデボラはレイチェルの手を握っていた。レイチェルは眼を皿のようにしていた。じっと僕の姿を見つめていた。
その後、ダンはデボラにした。ダンは、レイチェルや僕を相手にしたときより、はるかに乱暴に荒々しく行った。ダンがこれほどまでに荒々しくデボラのアナルを犯すとは、信じられなかった。デボラは、ダンにがんがんと叩きつけられ、激しく振り乱れた髪の中から、苦労しつつも僕を見つめていた。
デボラとダンは、時々、僕たちの家に来るようになった。ダンが僕たち3人に行う。家に来るとすぐに、ダンは僕たち全員に裸になるように命令する。そして、僕たちにいろいろなことをさせるのだ。例えば、脚を伸ばして両手をつま先につけた格好になるとか、両膝と両手を床につけた格好になるとか。僕もレイチェルも、そしてデボラも、ダンのために食事の準備を行う。僕たちは3人とも、彼に仕える全裸の奴隷になっている。3人とも、彼のペニスを舐め吸いする。ダンは、時には、僕たちに鞭を振るうこともある。ダンが僕にやるとき、いつもデボラはレイチェルの手を握ってるのだった。レイチェルの体に少し触れることもあった。だが、レイチェルは、デボラに何をされても、眼を皿のようにして僕とダンの姿に見入っているのが常だった。デボラがダンにされるときは、レイチェルはいつも僕にしがみつくようにしていた。デボラは、ダンにされながら、いつも、できる限り僕の顔を見ようとしていた。レイチェルがされるときは、いつも中空を見るか、眼を閉じていて、僕とデボラのことは完全に意識にない様子だった。そういう時、デボラと僕は、並んでソファに座り、互いに腕を相手の肩に回しながら話しをするのだった。
そのような会話の際に、デボラはいろんなことを僕に話してくれた。あの最初のときのこと。ダンの家の裏庭で僕とダンの姿を見たときのこと。あの時、デボラは僕の 「キュートな可愛いお尻」 ばっかりを見つめていたこと。そして、どういうわけか分からないけど、その僕のお尻にペニスが入っていくところを思い浮かべていたこと。そして、ひょっとして、それが見れるかも知れないと突然、思ったこと。すごく淫らな気持ちになったこと。僕とダンが逃げて行くのを見て、ひどく不満を感じたこと。どうしても僕たちにアレをするように仕向けることにすると思ったこと。そして、僕とダンがするのを見た後は、毎回欠かさず、家に帰って狂ったように自慰をしたこと、など。
そういう時、デボラは僕にキスをしてくれるときがある。僕の唇にだ。そして、僕の耳元に囁きかける。「あなたのことをとても愛しているわ」、と。