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「寿司」 Sushi  By Richard Rivers

さなえは、男と愛し合う前に、彼が寿司を食べるのを見ることにしていた。もっと言えば、寿司の食べ方によって、その男と愛し合うかどうかを決めるようになっていた。男が他の点でどんなに魅力的であろうとも、寿司の食べ方で決まるのである。この何年か、さなえは、魅力的溢れる男性や、彼女をもてなすのが上手い男性に何人もアディユーと告げてきた。単に、その男性が箸を落としたとか、醤油をテーブルクロスにこぼしたとかの過ちをしただけの理由で。

さなえは、経験から知っていることがあった。男性がどのように寿司を扱うか、その振る舞いが、彼がベッドの中で彼女をどのように扱うかについて非常に多くを語ってくれるということである。食べるときにしくじったり、ぎこちなかったりする者は、即座に却下。だが、実際は、そんなことよりもっと繊細で微妙である。

いなり寿司を食べるとき、一度にすべてを口に入れず半分に食いちぎる男性や、さらに悪いことには、小分けにして食べる男性は、ベッドでも小心でつまらない相手である可能性が大きい。そのような男性とベッドを共にするのは、大皿のかっぱ巻きだけを食べ、他に何も食べないことと似ている。だが、一口で食べると言っても、あまりにも素早く口に詰め込む男性も同じくらいつまらない。そのような男性は確かにベッドの中ではエネルギッシュかもしれないが、自分勝手である可能性がある。そういう男性は終点を目指して激しく動くものの、そこに達すると2分足らずのうちに眠ってしまい、満足してない女性をそのままに置き去りにしてしまうものなのだ。さなえはよく知っていた。

理想的な愛人はそんなことはしない。食事をじっくり味わうもの。そういう男性は、食べ物と同じように、女性の体をじっくり味わって愛してくれるだろう。醤油とわさびを混ぜる時に払う細心の注意は、前技の時に見せる細心の注意に相当する。箸を優しく動かし、ひんやりした醤油に辛味のわさびを混ぜ合わせる。その箸の動きは、男性が、湿り気を帯びつつあるショーツの上から優しく撫でる指の動きに似ている。寿司に醤油をつけるときも、精通してる人ならば、魚を下に向けてつけるもの。それは、その男性が女性の体を開くとき、充分に思いやりを持ち、優しく行うことを示す。その男性がしっかり噛んで食べる人なら、しかも度が過ぎることなく噛む人なら、その人は、さなえ自身が食べられることになるとき、手際よく彼女のクリトリスのありかを探り出すし、まさに適切と思えるタッチをしてくるだろう。

いつものことだが、さなえは男性に最初の一品を選ばせた。彼が油の乗ったトロを選ぶのを見て、彼女はにっこり微笑む。ねっとりと湿り気を帯びてピンク色に輝く肉が、誘惑的な様態で、しゃりの小さなベッドに垂れて覆い被さっている。それを見ると、さなえは濡れて赤みを帯びたラビアを思い浮かべた。さなえは彼に気づかれないように、男がトロに醤油をつけ、口へと持っていく様子をしっかりと観察した。見事に欠点のない食べ方。一度に口の中に入れ、しっかりと噛む。その様子を見ながら、彼女は堪えきれずに小さく溜息を漏らした。噛み砕き飲み込んだ男を見ながら、さなえは、いつの間にか自分が両脚の太ももを強く擦り合わせていることに気づくのだった。


おわり
Richard Rivers 10/00
email: richard_rivers@hotmail.com
stories: http://www.asstr.org/~Richard_Rivers/

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