「25ユーロ」  Twenty-Five Euros  By Esther Haze source

その後で、彼女は、ホワイトロシアン(参考)を飲み干し、片脚をベッドの隅で鋭く突き立った柱の上に乗せた。25ユーロの繊細な黒糸の網・・・おそらく彼女を愛してはいないが、彼女をパリに連れてきてくれて、街の輝きを見せてくれた彼。その彼に彼女がパリで求めたのはこれだけだった。

「網目のストッキング?」

彼は半ば呟くように言った。肩越しに振り返り、視線を高級デパートの中に泳がせている。毛皮、ダイアモンド、オートクチュールの洋服・・・彼女はそのどれを選んでも良いのに。

彼女はゆっくりと、しっかりと頷き、彼は彼女の意志を信じる。商品が包まれ、代金が払われ、そして受け取った。

ホテルに戻り、彼女は包装紙を破り、網の中にあるボール紙を注意深く引き抜いた。そのボール紙が床に落ち、続いて彼女のスカートとパンティが落ちる。そして、片方の脚から、つま先、かかと、ふくらはぎ、膝、太ももがセックスの網に囚われていく。もう一方の脚も、つま先、かかと、ふくらはぎ、膝、太もも。

彼女はメアリー・ジェーン(参考)のバックルを留め、浴室に歩いた。そこでは彼が鋭い刃物を頬につけたクリームの泡に当てている。彼は彼女の姿を密かに見た。剃刀がシンクに落ちる。

「触って」

彼女は彼をバスタブの縁に引き寄せた。彼の指は、生地と素肌のクールな対比を楽しみながら、網目の繊細な模様を辿り、やがて円に変わる線を描いていく。そして指の辿る道筋は彼の意思により上へ、上へと向かっていく。

彼女は彼の髪の毛を掴み、シェーブ・クリームだらけの彼の顔を下げ、迷路模様のストッキングに引き寄せた。クリームでべとべとになってしまうことなど気にしていなかった。彼の歯が網目に噛み付く。舌が網目の下の肌を味わう。そして彼は流行りの迷路に我を忘れるのだった。


おわり



[Reviewers' Comments]

女性が、自分は男にとってつかの間の相手にすぎないかもしれないと知りつつ、ある選択をします。スマートで官能的なストーリーです。作者は、セックスとお金の話しを網ストッキングの中に上手く包み込んでいます。あなたなら何を選ぶ? 読まれた方は皆、この質問に答えなくてはならなくなるでしょう。



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